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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十三章
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新年も慌ただしく過ぎていく2


このお店に梅代さんと来るのも、何度目だろう。

それにしても、この間、あんな熱愛があってすぐなのに

のこのこ来てしまう私も、間抜けとしか言いようがない…

しかし、あらたまって裕さんに言うのもなんだか

気がひけるんだよなぁ…どうしよう…

とりあえず個室じゃなくて、あ、いやそれもおかしい…


宏太さん連れてくればよかった〜〜!


ガラガラッ


「いらっしゃいませ〜」


「西河です」


「はい、お連れ様は先にいらしております、こちらへどうぞ」


細い通路の先にある部屋に案内されて入ると…


「遅くなりました〜、あ!美東さん!」


「どうも〜、西河さん、僕も居ます。ははっ」


「いや、むしろ居てくれて安心しました!」


「庵さん、流石に僕もこんな時に2人では会いませんよ」


「ですよね、そうですよね、人気声優さんに

 気を使わせちゃってほんと、すみません…」


「なんかそう言われると、ちょっと違うんですけど…」



適当におかずを頼んで、年末はイベント三昧で

あんまりゆっくり出来なかった、昨日も夕方から休みで

明日も昼から仕事で…って、裕さんの愚痴が止まらない。


「そういえば、ラジオの企画の話って…?」


「あぁ、そうでしたね、それが…」


言いにくそうに、美東さんの方をむく裕さん。

ん?なんだろう?視線を向けられた美東さんも

すごく言いにくそうに…


「あの、それがですね、梅代さんのラジオの企画

 西河さんにお願いする予定だったんですけど…

 別の方に、お願いすることになってしまって…」


「えっ、あぁ……そうですか…」



気にしないでください、そんなこともありますよ。


なんて、事も色々話しただろうけど、正直あまり

覚えてない。唯一覚えているとすれば、

私ではなく、本田さんが担当することになった事。



なんだろう、そこに本人の意思は関係なくて。

世間の印象や、周りの目、どう見られるか、どう

考えられるか、が大事で。

危ないことは避ける、事実がどうであれ。

と、言う感じだろうな。


(楽しみな企画の1つだったんだけどな…)


仕方ない、と言えば仕方ないし、私がそっちの立場なら

きっと同じ様に、怪しいものは遠ざける。

だから、これでいい。

また、縁があったら、こういう仕事が来るだろう。



(頭では理解できているんだけど、やっぱ悲しいな)



家に帰っていたつもりだったのに、いつの間にか

気付けば事務所の前に居た。

なんとなく、誰かに会いたかった。


ガチャッ


「だれか居たり、するかな〜〜…あっ…えっ?」


周りをソファで囲んだこたつに、突っ伏す様に

寝ていたのは、津乃田さんだった。

私も人のこと言えないけど、津乃田さんもだいぶ

この事務所に来る機会増えたな…確かに居心地は良いけど…


ふと、津乃田さんの顔の横にある紙に、視線を移すと


【ごめんね、拓ちゃん!17時には帰るから、冷蔵庫の

 タルトでも食べて、待ってて!  しんた】



なぜ、この文明が発達した時代に、手書きのメモなんだ…

津乃田さんがここに来る前に、メール送れただろうに。

晋太さん、たまに不思議だ…。


とは、思ったものの、手紙、私も書いとこう。

だって推しが直接読むわけだし、まあ、推しの寝顔

見てる時点で、本当に他のファンに申し訳ないというか

こっそり写メ撮らなかった自分を、褒めてほしい。


(誰かに殺されそうだ…こんなこと思ってたら…)


とにかく、だ。


【ゆっくり休んでください】っと。



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