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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十二章
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熱愛?誰と誰が…?3


また、この視線か…

自信を持ち出した頃に、これはきつい。

と、いうか、裕さんに迷惑をかけてしまっている事が

何よりも、申し訳ない。


「まあ、気楽に行きましょうよ、僕今日は

 そんなに出番ないですから。ね?」


「本当にすみません、私が気をつけ…」


「梅代くんっ、庵ちゃん!」


振り返ると、津乃田さんが慌てた顔でこちらを見ていた。

なんだか…物凄く胸が傷んだ。

あぁ、そうか、津乃田さんには嘘だって分かってるけど

それでも、誰かとこんな感じで噂が出るのは、嫌だ。


「僕が最後まで居ればよかったね、ごめんね」


「いえいえ、どっちにしろ、何か書かれそうですし

 僕のファンなら、僕を信じてくれてると思うので」


はっきりそう言い張る裕さんが、少し格好良く見えた。



とにかく、もう打ち合わせが始まってしまうし

あと数時間で、出番が来てしまう。


会議室に皆集まったけど、空気が重い。

気にしても仕方がない、とは思ったけど、この空気

正直前回より耐えられる気がしない…。


脚本家が座る位置に座ると、横に逢坂さんが座ってきた。


「西河さん、梅代さんと付き合ってるの?

 おしとやかそうに見えて、意外とやるわね?」


「あれは、完全に誤報です。

 それにあの時は津乃田さんだって…!」


あ、しまった。


「何?貴方、梅代さんだけじゃ飽き足りないの?

 津乃田さんまで巻き込むの、辞めてくれない?迷惑よ」


「ちょっと、西河さん、逢坂さんの言うとおりですよ」


津乃田さんの名前を出した途端、目の色が変わったように

言い返してきた。本当に津乃田さんが好きなんだな、と

思ったけど、今はもう余計な事を言わないほうが良い。

それに、これは所謂、とりまき、なんだろうな…

その人達の、圧も怖い…。


「いえ、なんでも無いです…」



ろくに打ち合わせも聞けず、終わってしまった。


「庵ちゃん、大丈夫かい?」


「あ、津乃田さん、大丈夫です、本当に!

 すみません、ご迷惑をかけて…」


「いや、僕は良いんだけど…言い合ってそうだったから」


「あぁ、全然、大丈夫ですよ、ははっ、本番は

 しっかりやりますから!!」


「そうか、大丈夫なら、良いんだけどさ…」


これ以上、他の人に迷惑は掛けられないし

自分でなんとかするしか無い。気の持ちようだ!

自身を持って、いかないと…!


「あ、西河さん、ここに居たんですね!

 なんか第3会議室で打ち合わせがあるとかで…」


「はいっ、第3会議室ですね、今から行きます!」


「また打ち合わせがあるの?脚本は大変だね…」


「じゃあ、津乃田さん、また本番で…!」




スタッフさんが来てくれて、少し助かった。

なぜだか、裕さんと話すより気まずい気持ちだった。


(脚本の打ち合わせか…あと1時間で本番だけど

 なんの打ち合わせだろう…?)


会議室に行くと明かりがついていた、もう皆集まってて

私が最後なのでは、と思い慌てて部屋に入る。


「すみません、遅れまし…た?」


勢いよく入ったものの、誰も居ない。


「?」


その時、部屋の電気が消えた。



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