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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十二章
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熱愛?誰と誰が…?


宏太さんと話してから、折角目の前で自分の脚本部分を

読んでくれているというのに、心ここにあらず、とは

まさにこのこと。


ぼんやりしたまま稽古が終わり、ぼんやりしたまま家に帰り。

そして、朝になった。


(緊張しすぎて胃が痛い……)


昼まで、ソワソワしながら過ごして、夕方に

本番前の打ち合わせだから、準備をして家を出る。

即興脚本には、恐怖しかない。


そんな事を考えていたらもう夕方!!

時間の速さにはいつも驚かされる…


(よしっ!いくか…)




「おはようございますっ!」


ん?なんだ、この視線?凄く嫌な予感がする。


「ちょ、庵さん!庵さん!!」


珍しく、慌てた美東さんが駆け寄ってくる。

なにが起きたかは分からないけど、物凄く慌てている。


「ど、どうしたんです…??」


コソコソ


「なんですかこれ!!本当ですか!?」


「なっ!!これっ!?これ!?」


渡された携帯をみて、人はあまりの衝撃に

言葉が出なくなるのは、本当だと思った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人気声優 梅代裕!新人脚本家と熱愛か!?

〜車で駅まで送り、親しげに話す様子を激写〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



これ、あれだ…この間の打ち合わせのときだ…

まさか写真に撮られてるなんて、思いもしなかった…

いや、その前に津乃田さんもいたのに!それはいいの!?


これが嘘でも、今この場にいる人は、きっと信じてる。

いや、嘘か本当かなんてわからないんだから、疑ってる、と

言ったほうが正しいのか。入ってきたときの視線は、これか。


「どうなんです、庵さん!」


「いや、こんなの嘘に決まってるじゃないですか!!」


「嘘だとしても、まずいですよ、今の状況でこれは…!」


それは私もびっくりするほど分かっている、分かっているけど。

今これをどうすることもできないのも、また確かで…。


「おはようございます〜〜宜しくおねがいします〜」


しかも何というタイミングで…裕さん…!!


コソコソ


「うわっ、もう1人も登場だぞ…」

「生放送の日に本当、勘弁してくれよ」


聞こえてるよ!そこのスタッフ聞こえてるよ!!


「?」


不思議そうな顔をして、こっちを見てくる。

正直今は関わらない方が良いのだが、そんな訳にもいかず。

裕さんはこちらに近づいてくる。


「なんです?この雰囲気」


「梅代さん、実は、これ…」


そう言って、美東さんが私の時と同じ様に携帯を見せる。


「!?これで、この反応ですか…」


正直クール過ぎんか?とは思ったものの、こんな時でも

激しく取り乱さない裕さんは、何者なんだ…


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