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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十一章
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公演まであと少し


晋太さんも集まって、3人で設定話し合いが始まった。


「庵ちゃんは、この人物設定は、どんな

 感じで考えてたの?」


「私は、真面目な天然、純粋無垢ってイメージが

 強くあったんですけど、これを晋太さんが演じて

 くれる、って考えると真面目な天然よりも、結構

 ふんわり目の天然さんなイージになりました」


「そうなの?僕はどんなイメージよ」


「まあでも、確かに、ここまでの他の登場人物が可笑しな人

 ばかりだから、真面目ってのよりも、ふんわりとした

 雰囲気をあてがうのはいいかもね」


「そうなんですよ、このラストの展開の前に

 観客を油断させる意味でも、ふわっとした印象で

 一度舞台を包みたいと言うか…」


「うん、それで行こう、あとの細かい設定は

 どうする?」


「正直、晋太さんにお任せしてもいいかな、って

 思ってるんですけど…どうですかね…?

 いや、あの、投げ出すって意味じゃなくて!

 普段の晋太さんを、そのまま出した方がいいかな、と」


「そうだね〜、庵ちゃんと羽多ちゃんが

 それでいいなら、僕はいいよ?

 僕なりに、この人を掴めそうだし」


「役者が大丈夫っていうなら、私はお任せするわ

 まあ、晋太くんなら上手くあてはめてくれるでしょ?」


「ははっ、プレッシャーかけるねぇ〜〜」



「よーし、じゃあ、稽古しようか!

 さっきも言ったけど、本当に時間ないのよ!」



設定も決まり、稽古が始まる。

スケジュールの都合で、場面ごとの稽古しか出来ないけど

やっぱ朗読劇ってすごい、なんなんだろう、この

舞台とも、映画とも違う、実際にその場で、声優の声を

聞かないとわからないこの感情は。


下坂さん、初めて生で見るけど、やっぱ人気なだけあるなぁ

どこをとっても魅力的過ぎる!そして何より、この舞台

所々でアドリブを入れる部分があるのだけど、下坂さんは

アドリブに対する対応力が、なんて高いんだ!!




「ねぇえぇ!ここ弁当屋だから!

 ミーアキャットいないからぁ!!」


「いや、これ梅干しぃ!!タピオカじゃないからねぇぇ!!」




この人が喋ると本当に面白いな…

全然意味分かんないけど、朗読の間のアドリブがまた

いい味を出してると言うか、決まった枠で行っていたものが

リアルタイムになってくると、また違った色が出る。



「庵ちゃんっ、同じ舞台の手伝いしてるのに、全然会わないね」


「宏太さん!びっくりしました、確かにそうですね

 私来てから会議室に籠もってましたから、さっきまで」


「まさか、晋太さんまで居るとは思わなかったけど…はははっ」


「私もびっくりですよ、でも晋太さん、上手いですね…

 本当になんでも出来るんですね…」


「確かに何でも出来るし、凄いけど、それはそれで

 大変だと思うよ、かなり…。

 そう言えば、庵ちゃんは、明日生放送じゃん!

 どう?緊張してる?」



本当にこの人は…私がなんとか気をそらしながら

緊張しないように、上手く流れに乗れるように、と

思ってたものを、一瞬で引き戻された……!!



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