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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十一章
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生放送の打ち合わせ2


「朗読してくださる声優さんは、こちらで指定できるの?」


……?相変わらずのお姫様だ。

少しの沈黙の後、案の定慌てたスタッフの声がする。


「あぁ…えーっと…指定は…ど、うですかね…?」

「えぇーそうですね…それは…」


津乃田さんを指名したいのは、きっとここにいる誰もが

わかっている、だけど、誰も直接それは言えない。

言えないけれど、指定できる、と言うわけにはいかない。

誰も、この状況を進められな……


「あの…くじ引きってどうですか??」


津乃田さん!?今頭の中で、私が格好良くナレーション

してたのに、津乃田さんが発言します!?


いや、でもむしろ、津乃田さんしか

この状況は変えられないんじゃないか…?


「く、くじ引きですか…?!」


スタッフが安堵した様な声色で聞く。


「そうです、やっぱ指定でも面白いんですけど

 くじ引きにした方が、視聴者も誰が、どれをやるんだろう?

 って、楽しめますよ〜、ね?逢坂さん??」


「えっ?…あぁ、そうですね〜、くじ引きのほうが楽しそう!!」


なんともまあ、手のひら返しが早いこと!

それでも、なんとか上手く丸まったぞ?



この後は、特に問題もなく、着々と打ち合わせが進んだ。

23時になる前には打ち合わせが終わった。


「では、以上で打ち合わせ終了です、当日宜しくお願いします」




(終わった…!!まだ23時になってないし、今から事務所に…

 いや、絶対また泊まることになる、帰る!帰って仕上げる!脚本!)


「庵さんも乗っていきます?」


「…えっ?な、なんです??」


「だから、津乃田さんを途中まで送っていくんですけど

 庵さんも途中まで乗っていきますか?って言ってるんです」


「本当ですか!お言葉に甘えます!裕さん優しい、駅の近くで!!」


「急に遠慮ないですね…津乃田さんはどこまで送ったらいいですか?」


「あ、僕は途中の事務所でいいよ、まだ仕事あるんだよね〜」


「津乃田さん、忙しいですね…」


「今度さ〜、舞台やるんだけど、アドリブ入れ込みながらの

 舞台でね?大筋の脚本と演出やってみない?って誘われて

 面白そうだから、チャレンジしてみようかな、って」


津乃田さんの作った舞台を、前に観に行った時、ループしていく

設定の作品で、度肝を抜かれたことを思い出した。

最初に付けていた、大量の付箋を、全て綺麗に回収する。

あまり脚本を書いたりしない津乃田さんだから、この時

初めて見て、本当に凄いと思った。


(あぁ、津乃田さんの頭の中は、こんな世界が広がってるのか)


なんて、考えたことを思い出した。


「よし、準備できましたか?2人送っていきますよ〜」


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