朗読劇のお手伝い
「ね、眠い…」
程々に楽しんで帰るはずだったけど、ラジオの1話
配信が終わった後、ババ抜き大会が始まってしまって
帰るに帰れなくなった。
まあ、正直花乃井さんが面白すぎて、ババ抜きどころでは
なかったんだけど。仲良くなれたから、まあいいか。
そんなこんなで、結局皆で事務所に泊まって
(裕さんは気付いたら帰ってたけど…本当にあの人は…)
今日は9時から、舞台のお手伝いだ。
7時前に起きて、シャワーをあびて、宏太さんを起こした。
「めっちゃ眠いんだけど…庵ちゃん朝強すぎない…?」
「私だって眠いんですよ、ババ抜きが盛り上がりすぎて…。」
朝ごはんに、と思って昨日の鍋の残りで雑炊を作ったら
花乃井さんがべた褒めしてくれて、朝から気分がいい。
「え、庵さんこれめっちゃ美味いっすね!
朝からテンション上がるわ〜〜〜」
「てか、朝からそのテンションすごいよね、朝の番組
やってるからそんな朝強いの?」
「晋太さん、当たり前じゃないですか〜〜、子ども達が
見るんですから、テンションは高くないと」
そんな会話を聞きつつ、もくもくと雑炊を食べてる
津乃田さんを見て、癒やされた。
「「いってきまーーーーす」」
「はぁーい!2人ともいってらっしゃーい」
劇場について、集合よりは早い時間だったにも
かかわらず、舞台監督の粟島さんがすでにいた。
「おはようございますっ」
「あ、2人ともおはよう〜!早いねー!」
「粟島さんもお早いですね…!」
「ははっ、よく言われるよ、監督のくせに
1番乗りされると他の皆が、時間通り
来にくいってさ〜〜、あははっ」
早く来たから、と、一通り舞台裏を案内してもらって
道具がある場所や、ゴミ捨て場などの場所を聞いた。
そうこうしているうちに、他のスタッフさんも集まりだした。
「羽多ちゃん、今日西河さん預けても良い?」
「お、いいですよ、全然」
「というか、羽多ちゃんって結構
西河さん気に入ってるでしょう?」
「あははっ、やっぱりわかる?
夢に真っ直ぐな子すごく好きなのよ、私
あと庵ちゃんが大好きな声優さんが、誰か気になるのよ」
「あぁ、僕もちらっとだけ聞いてたよ、誰だろうね〜」
「やだっ、盗み聞きしてたの〜〜」
「いやいや、近くにいたから、僕!」
「今回手伝ってもらう舞台だって、朗読劇の
手伝いってまだ教えてないんでしょう?
本当、そういうイタズラしたがるわね〜」
「その話が聞こえちゃったから、声優さん
メインの朗読劇だよ、って内緒にしたいじゃん」
「まあ、あの子見てたらそうしたくなる
気持ちも、わからなくもないけど…ふふっ
喜びそうよね」
「大山くんの方も、センスあるよね、凄く」
「そうそう、照明スタッフに聞いた話だと
理解が早いし、良いってかなり褒めてたじゃない!」
「今すぐ働いてほしいくらいだよね〜〜はははっ」
何を話してるかは、わからないけど、粟島さんと
羽多さんが楽しそうに話していた。
今日は1日羽多さんに付いて、演出を見ているから声をかける。
「おはようございます、羽多さん、今日は1日
よろしくおねがいします!!」




