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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第二章
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もしかして、騙されてます?


突然の怪しいお誘いから1ヶ月。

私の生活はガラッと変わった。


そもそも私の事を東京に住んでいると思って

誘った部分もあるらしく、私は公録が終わってから即親に相談。

まあ、相談と言うより、事後報告だ。


「東京に住むから」


「はぁ!?!」


案の定意味がわからない、と散々言われた。


脚本家になりたいだなんて言わず、向こうで

知り合いが社員探してて給料もいいから、なんて嘘。

いざとなれば、スラスラと出てくるものだ。


今動かなきゃどうする!と思い立ち、決めたは良いものの。


東京に来て不安しかなった。


何から始めたら良いのかもわからないままだったが

あの怪しい男の人「浅川晋太あさかわしんた」さんが

部屋まで用意してくれて、まだ何も出来ないのに

至れり尽くせりすぎて申し訳なかった。


だけど、だ。


この1か月、本当に何もしてないのだ。


もちろん自分でちまちま作品は書いている。


でも、この1か月。そもそも晋太さんが全然いないのだ。

何のために私を誘ってくれたのだ、とも思うけど。


この1か月で、ちゃんと晋太さんに会ったのは

最初に出勤した日と書類を取りに事務所によってきた3回だけ。



もしかして晋太さんは、思ったより人気の作家さんなのか?


なんて思うけど、問題はそこじゃない。


僕の下で働けば分かるよ、なんて言ってくれたのに。

晋太さんが、どんな仕事をしてるのかもわからず

ただ事務所で、同じく晋太さんに誘われた同期の宏太こうたさんと

雑用をせっせとこなすだけだった。



「晋太さんってなんでこんなに事務所にいないんですか?」


「ねぇ、俺に聞かれて分かると思う?」


「宏太さんぐらいしか聞ける人いないじゃないですか」


「俺は庵ちゃんより2週間早いだけだよ?わかるわけないよね?

 えっ、もしかして先輩として馬鹿にされてる?え?」


「もう、うるさいですよ、仕事してください」


「えぇ〜、庵ちゃんどんどん当たり強くなるじゃん…」



本当にこんなんで大丈夫だろうか?

天馬社の受賞者発表まであと1か月。

それまでには、晋太さんから何か学べるのだろうか?


とはいえ、部屋もあって給料もいい。

正直文句はないのだけど‥‥


私、騙されてないよね?


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