構成作家になる?
コンコン
「すみません、美東です〜〜」
「あ、美東さん!こんにちは、どうしたんですか!?」
「すみません急に〜、浅川さんには昨日お伝えして
おいたんですけど聞いてなかったですか?」
「えっ、そうなんですか!?晋太さん!?」
「ごめんごめん、昨日言おうと思ったけど
ラジオもあったから、言わないほうが良いかな〜って…」
「教えといてくださいよ〜〜〜〜!」
「はははっ、すいません僕も急に。
今回は僕がって言うより、斎藤さんからの依頼なんですけど」
「斎藤…って斎藤宗一郎さんですか?」
斎藤宗一郎さんといえば、美東さんの上司にあたる方か…
前回の企画の時には、最初の打ち合わせだけで
全然お話なんかしなかったんだけどなあ〜…
「そうです、うちの上司です。
それで、実は、浅川さんと西河さんに依頼なんですよ…」
「私と晋太さん2人ですか…?」
美東さんのお話は、こうだ。
晋太さんは、こうみえて(こら)忙しい。
のほほん、としているように見えて、ほとんどの時間パソコンに
向かっているし、打ち合わせや、演出方面までしている。
最近まで、こんなに人気なんだと言う事実を、私は知らなかった。
そんな、人気で引っ張りだこの晋太さんなのだが。
私が晋太さんの下で働いてる、というのを聞いたらしく
天馬社で新人賞を取った私繋がり、ということで
晋太さんと私2人を構成作家として、ラジオを作って貰いたい。
と、言う内容を、会社の上層部から言われた斎藤さんが
美東さんに頼んできて、今に至る。
「なるほど」
「すみません、浅川さん、僕が止められるような
段階ではなくて、とりあえず話をするようにと
言われまして…」
「まあ、僕もこういう事がなくはないかな、とは
思ってたよ、うーん、どうしたい。庵ちゃん?」
な!?私に振ってくるか!?
「私ですか!?」
「うん、庵ちゃんの意見を聞いてみようと思って」
「晋太さんが決めないと…忙しいじゃないですか…!!」
「僕のことはいいんだよ、予定なんてどうにかなるんだから。
庵ちゃんがどうしたいのか、言ってみてよ?
コーナー考えたりとか、セリフ考えたりとか、嫌?
今はストーリーだけ考えたい?」
確かに、私はお話を書くほうが今はメインに考えてる。
でも、いろんな体験してた方がいいのもわかってるし
きっとこの、偉い人たちの考えでは、私はおまけだ。
人気の浅川さんさえ出てくれれば、きっといいはずだ。
だけど、私は…。




