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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第一章
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オタ活にも余念がありません


カフェに居座って、どのくらいになるだろう。


少し離れた席で小説らしきものを読んでいるおじいさんは

もう3杯目のコーヒーを飲み終えていた。



「多少は形になったような‥‥?」


うん、だいぶ進んだ。というか、出来た。


短編を応募するから、原稿用紙4枚くらいのものが出来た。

コレで本当に良いのか。話はまとまっているのか。

正直初めてこうやって、ちゃんと文章にしたから

よくわからない不安でいっぱい。


とりあえず、まずは試し。応募あるのみだ!


天馬社のサイトから応募する。


ポチッ



「応募したよ、ゲンちゃんーーーーー!」


受賞者の発表まで2ヶ月、この間にまた書いておこう。


でもその前に、今日までの執筆に追われて

(あ、なんか凄い脚本家みたい)

なかなか、オタ活出来てなかった。

本末転倒じゃないか!推しに貢がねば!


実は、このタイミングで推しのラジオの公録。

(公録というのは、公開収録の略だ)

これは行かねばなるまい、と、私は東京へ。


お金かかるし、時間もかかる。

それでも、推しのためなら稼いで会いに行く。


私にとって、推しと会える場所、みたいなものだ。


推しとの妄想を込めた短編小説を、書いたばっかで

推しの公録を見れるなんて、しかも2列目!これはもう

頑張ったご褒美なんじゃないか?

まだ、応募しただけのくせに‥‥。


会場についたけど、まだ始まるまで、1時間半ある。


このふわふわした、楽しみを前に高ぶった感情の今

何か新しい作品を書けるかもしれない。

そう思うと、とりあえずカフェにでも入ろうと思った。


都会のカフェは皆作業中の人ばっかりでビックリする。


少し甘いコーヒーとシフォンケーキを頼んで、席につく。


パソコンを出して、ポチポチ。

短編で書いたあの、推しとの物語を、本当はもっと

話を広げたくて、もっと深く書いてみたくて。


今のこの気持ちならもっと書けそうで。


会場につくまで、実はずっと書きたかった。

自分の部屋で、パソコンに向かってるときには

全然出てこなかったアイデアが、今はこんなにも

すらすらと、出てくる。



こんなに書いたのに、まだ20分しかたってない。


「んー、推しへの愛が強いか」


おっと、つい心の声が。



いつの間にか、隣に人がいるのも気付かなかった。


「あの、作家さんか何かですか?」


「えっ、なんですか‥‥」





この出会いがなければ、きっと今の自分はいないだろうと思う。

今となっては、ね。

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