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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第七章
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津乃田拓のある1日


僕が親しくしている、浅川さん。

その人が、珍しく自分の弟子だ、という子達を紹介してくれた。

そしてその弟子の、庵ちゃんが参加している企画に

僕も、主役声優として参加させていただいた。


まあ、半ば強引にマネージャーからスケジュールを

ねじ込まれて、スタジオに行ったら庵ちゃんが居た。


なんでこの新人さん達の企画に、僕が入れられたのかは

行ったらすぐにわかった。



「津乃田さん、おはようございます!」


そう声をかけてきたのは、逢坂美姫さん。

まあ、お偉いさんの娘さんらしく、この企画の前の

作品で一緒になってから、なにかと声をかけられる。

僕もそんなに鈍感じゃないほうだから、流石に好意を

もってくれているのはわかる。


だけど、僕はこういう子は少し苦手だ。



そんな色々面倒そうな現場で、僕はやらかしてしまった。



「庵ちゃん久しぶりだね〜〜」


庵ちゃんがいる事が嬉しくて、まあなんで嬉しいかは

自分でもちょっとわからないんだけど。

声をかけたのが間違いだった…。


多分隠しておきたかったんだろうな、と後になって気付いた。

僕のせいで、スタッフさんから、白い目で見られてしまっている

庵ちゃんをみて申し訳なくなった。


それからというもの、庵ちゃんと打ち合わせで会っても、前と違って

静かというか、せっかくいいアイデアをたくさん持ってるのに…

僕のせいでこうなっていることは明らかだった。


そんな時、自動販売機に向かう庵ちゃんが見えたから

なんとか元気づけたい、と思って僕も行ったんだけど…




「次は4話かー、次、浅川さんとこの?」


「あぁ、そうだったねー、あの人勢いが良かったの

 最初だけじゃない?最近打ち合わせいた?」


「いたよ、全然喋らないけどね、ははっ」



そんなスタッフの声が聞こえてきて、なんだか

すごく腹が立って、いても立ってもいられなって…


「お疲れさまです〜〜」



何も考えずに声をかけた。



「もう3話ですね、早いですねー!」


「そうですね〜、来週中には4話ですもんね。

 楽しみはいつも終わるの早いんですよ〜〜」


「4話といえば、西河さん?浅川さんとこで働いてるって

 言ってたので、どんなものか、と思ったんですけど全然ですね。

 この企画も浅川さんのコネで参加だったりして、はははっ」



日頃怒ったりしないから、怒ることは苦手なんだけど

さすがの僕も、我慢の限界だったみたいだ。




「本当にコネだなんて思ってます?」



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