いよいよ第4話
今日、ついに、私の担当する4話だ。
まだスタッフの視線も怖いし、何かを発言するたびに
裏を探られる感じがすきじゃない。
でも、津乃田さんはわかってくれてる。
それだけで、ずっと強くいられる。
「おはようございます、宜しくおねがいします〜」
「あ、西河さん、今日はお願いします!
いよいよ最終話ですね!」
「島崎さん、お願いします〜。
そうですね、上手くまとまったとは思ってるんですけど
今からの打ち合わせが、無事終われば良いなと…」
「なんか結構バタバタな感じでしたね、この企画」
「津乃田さんの予定の関係で、常にギリギリですもんね」
「逢坂さん、到着されました」
いや、ほんと、大女優かよ、とは毎回思うけど。
そろそろそれも慣れてきたところだ。
「打ち合わせ始めます」
最後の打ち合わせが始まった、ここで問題なければ
この後そのまま、津乃田さんが収録して終了だ。
「西河さん、4話読みました、僕は凄く良いと思います」
美東さんのその1言から始まった。
実は内心、もっとこうしたら、なんて意見があると
思ってただけに、予想外の言葉だった。
「凄い上手くまとまってると思います。
なので、このままいこうと思うのですが大丈夫でしょうか」
「あっ、はい、私は全然、これで行きたいです!」
「よし、それではこの後津乃田さんが来たら
収録開始しましょう」
こんなにも早く、決まってしまうなんて思ってなかったから
ちょっと拍子抜けだが、これはこれで嬉しい。
「一旦休憩でーす」
「よかったですね、西河さん」
「あ、遠野さん、島崎さんも。
いや、とりあえず一安心ですよ、はははっ」
「逢坂さんからなにか言われるかな、ってちょっと
思ったんですけど、あの人自分の話以外そんなに
興味なさそうなところがなんとも…」
「ですね、僕も怖かったですけど、特になにもなかったし
まあそれより本人は、別のことに夢中みたいですけどね」
そう、いった遠野さんが見る方向を見てみると…
「お疲れさまです、宜しくおねがいします〜〜」
「あ、津乃田さんお疲れさまです〜!
今日で最後なんて寂しすぎます〜〜」
相変わらず、目に入るのはそちらだけ、というわけか。
「あ、どうも〜〜、そうですね、僕も期間は短いですけど
すごく楽しみな現場だったんで寂しいですね〜」
最近、津乃田さんが、逢坂さんと話してる事が
なんだか複雑だな、と思う。
でも別に好きとかではない、と、思う。
いや、確かに好きだ!だってずっと追いかけてきた
私の1番大切な推しだから、でもそれと恋愛は違う。
と、思ってはいるのだけど…こんな風に欲張りになっては
ダメだ、と毎回考えてはその思いを消している。
だってそんな風に欲張ってしまったら、私の目標が
ズレてしまう気がして。
そのモヤモヤが、自分の中で小さく芽を出していた。




