第3回収録2
「終わってみると、結構早かったですね」
「そうですね、裕さんにも、色々アイデア出して頂いて
本当に感謝してます、私の初仕事でした」
「改まってなんですか?これからもっと忙しく
なると思いますよ、庵さんなら」
「そうだと、いいんですけどね…今は、企画の方を
しっかり仕上げないと」
「津乃田さんも心配してますもんね〜」
「えっ!?あぁ、やっぱりご心配をおかけしてますよね…」
「この間のご飯、僕が呼ばれたのだって庵さんの為ですよ?」
「えっ?どういうことです…?」
裕さんが言うには、元気のない私をどうにか慰めたいけど
まだまだ出会って日の浅い僕だと(私は一方的にずっと知ってるけど)
慰め方が分からないから、梅代くんになんとかして欲しい。
と、言われたそうだ。
私的には、津乃田さんのその思いだけで、物凄く元気が出るし
正直私の味方をしてくれるんだ、と考えただけでニヤけそう。
まあ、そんな事は言えないので、黙っておくけど…
「津乃田さんは慰めれるなら、自分が慰めたかった、て
感じだったですけどね。嬉しいでしょ?」
「なっ!なんですその悪意ある聞き方…」
「ははっ、悪意なんてないですよ。ただ、この話聞けば
もっと元気でるだろうな、とは思いましたけど」
「た、しかに…凄く元気になりました…」
なんだかんだこうやって、いつも励ましてくれる裕さんにも
本当は凄く感謝してるけど、それは絶対に言ってやらない。
「まあ、僕も美東さんからちょくちょく話は聞くので
なにかあれば力になりますよ。それに、あっちには
津乃田さんも居ますし」
そういう裕さんの、つまらなさそうな顔が気になりながらも
がんばります、と言うとそのままスタジオを後にした。
(今日は一旦事務所に戻って、資料まとめて、そのまま仕事してよう)
「今帰りました〜〜」
「あ、庵ちゃん!久しぶりじゃない?ねぇねぇ」
「宏太さん!ほんと、久しぶりですね、2週間位
会ってませんでしたよね」
「最近大変そうだから、心配してたんだよ〜!
この間のご飯も行きたかったし〜…」
「そういえば、用事があったんでしたね?
あ、今日行きます!?この後!」
「おっ!いいね、いこういこう!お寿司食べたい俺!」
「お寿司!私もです、気が合いますねぇ〜
よしっ、じゃあ今日の晩御飯はお寿司です!」
「「いぇ〜〜〜い!!」」
「ねぇ、二人共、僕の存在忘れてない?そんな事無い?ねぇ」




