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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第一章
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創造にはまず形から


パソコンに向かって早1時間。


悩ましい、非常に悩ましい。思いつかない。

あと正直今イヤホンで聞いてる津乃田さんのラジオに

耳をやられて、書くことに集中できない。


とりあえずイヤホンを外す。


「あーーーーー難しいっ」


横で寝てた猫のゲンちゃんが、びっくりしてこっちを見てくる。


「ゲンちゃん、オタクと推しってどう出会ったら良いの?」


猫の手も借りたい、を使うところはここだったのか。


私だって、妄想の中ではいくらでも、津乃田さんとの

出会いを想像してニヤニヤしていたけど、いざ、それを

文章にしますよ。作品にしますよ。ってなると難しくて仕方ない。


頭の中で妄想するのって簡単じゃん?

言葉がない部分って、なんで頭の中だと自然と何かで補うのかな。

それを誰かに伝えるために、文にする。

尚且誰かの心を、動かせるような作品にする。


ものすごく難しい。やっぱ凄いな脚本家。


いやいや、しみじみ思ってる場合じゃない。



色々調べていたら、そこそこ有名な出版社、天馬社の

コンクールをみつけてそのコンクールに応募することに

したのはいいが、締切まであと1か月。


ゲンちゃんとお喋りしてる暇はないのだ。

ごめん、ゲンちゃん。



「うーーん、こういう時ってどうしよう。気分転換に散歩だ!」


締切は近いってのに、ウィンドウショッピングするなんて

雰囲気だけは脚本家気取りをやってみる。


目的が変わると、いつもと同じ様に街を歩いてても

いつもとは違う目線で見てる自分に、ビックリした。

今までこんなに、街を行き交う人のを観察するなんてなかった。


この人はどんな人なんだろう。

あそこで話してる人たちは、どんな関係なんだろう。


今まで気になったことのないことが気になって

そう感じることが、自分でも不思議に感じて。

あぁ、なんだ、こんな風に考えることもあるんだな、って。


これだから新しいことを始めると、心躍るんだ、楽しいな。



考えることは難しいけど、その難しさも楽しんでしまえば

何てことないことだった。


1度家に帰って、パソコンをもって近くのカフェに行く。

田舎のカフェだからあまり混んでなくて。

少し居座っても邪魔にならなさそうなカフェ。


最近やっと、砂糖を減らして飲めるようになったコーヒーと

シフォンケーキを頼んで、ポチポチパソコンを叩く。

形から入るタイプの人間だからか、今のこの、仕事人間です!

みたいな感じを出してる自分に、ちょっとソワソワしつつ

さっきみたいに悩んでない自分がいた。


「なんか、さっきより指が進むな‥ふふっ」


危ない危ない、家じゃないんだからニヤケちゃってた。



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