やっぱり貴方が私の最推しです2
「僕ね、庵ちゃん凄いなって思うんです」
「…凄い?」
「浅川さんから紹介された時、凄い自信満々だったんですよ彼が。
それって、僕とかにしてみたら珍しいことで。
あぁ、それくらい彼が自身を持って紹介できる子なんだって
僕がちょっと嬉しくなっちゃって!」
あの時の津乃田さんが、そんなことを思ってくれてたなんて
全然わからなかったけど、今溢れてくるこの涙は、さっきまでの
辛く、悲しい涙じゃない事だけはわかる。
「そもそも、彼がコネを使うような人だって思ってる人たちって
彼のことなーんにもわかって無い奴らなんですよね?
そう思いません?そんな薄っぺらい人達が言ってる事は
真に受けることじゃないんですよ、それなのに、庵ちゃん最近
全然本気出してこないから、なんだかなぁ、って思っちゃって」
「あ、そう、だったんですか…」
「だってそうですよね?〇〇さんコネだなんて思ってないですよね?
この業界で、彼のことそんな風に思う人そもそも居ないですよね〜?」
今まで、怖い印象なんて1度も受けたことがないけど
明るく話してる津乃田さんに、初めてすごく怖くなった。
「あ、そろそろ午後の打ち合わせですね」
「そ、そうですね、じゃあ、僕たち先に行きますんで!!!
おいっ、いくぞっ!」
慌てて出ていくスタッフが、少し愉快だった。
「いるんでしょ?」
「えっ!?」
「あぁ、やっぱり」
いきなり話しかけられて、声が出てしまった。
「自販機の方に行ったのに、姿見えないから。
代わりに失礼なスタッフは居たけどね」
「あ、あぁ、そうですね…」
「気にすること無いよ、僕があの時声かけちゃったからだよね?
ごめんね、庵ちゃん」
「いえいえ、津乃田さんは全然っ!
どうせいつかは、バレることになってたと思いますし…」
「僕がさっき言った事は、全部本当だよ。
難しいかもしれないけど、何言われても気にしないで。
分かる人は、そんなのじゃないってわかってるし
次の4話で、皆をあっと、言わせてやりなよ」
津乃田さんがわかってくれてる。
1番信じてて欲しい人が、信じてくれてる。
その事実だけで、何でも頑張れる気がした。
もうあんな、周りの視線に負けてる自分は、今この瞬間で終わりにする。
もっと前に出なきゃ。津乃田さんがびっくりするくらい、スタッフ達に
文句を言われないくらい、良い作品を作らなきゃ。
「はいっ、あの、ありがとうございますっ!」
やっぱり、津乃田さん推しててよかった、本当に素敵な人だーーー。




