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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十三章
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今日という日を成功させよう2


「そんなに中華食べたいなら、ここを出て右にある

 中華屋に行ったらどうです!?」


「あ、じゃあ、僕このオムライス弁当で」


「普通っ、至って普通!?」



問題もなく、このまま終わりそう…良かった…

…ん?晋太さん少しおかしい…?


「なんですか、普通普通って!

 いやです普通なんか!イナゴが入った弁当は

 ないんですか!くだせぇ!!」


「イナゴ…!?くだせぇって、そんな急に江戸っ子…」


この場面のセリフとかは、アドリブがほとんどだから

おかしくはないけど、晋太さんの様子がなにかおかしい。


(なんだろう、どうしたんだろう…?)


目の前の下坂さんを見ているようで、視線が

その先の何かを見てる。この後はもう、暗転する

だけなんだけどな…暗転…。


(あ、バミってないんだ!)



晋太さんだけ、この場面のあとはける方向が違うし

鳥目だから尚更見えない、ってなってバミることに

なったんだ。でも、それがない、忘れてる。


(だから晋太さん、あんなに探してたんだ)


初めて見る顔、普通に演技こなしてるけど、慌ててる。

どうしようもうすぐ暗転してしまう、誰も気づいてない。


「あの羽多さんっ……あっ!」



羽多さんに助けを求めようとしたら、暗転してしまった。

ここから1分半、暗い中で下坂さんの心情風にナレーションが

流れる。この間に晋太さんが戻ってくるんだけど…


「あれ、晋太くん遅くない…?」


稽古通りなら、暗転してすぐこっちに戻ってきたはずの

晋太さんがなかなか戻ってこない。

早くしないと明転してしまう…。


「庵ちゃん、晋太さんバミってないから…庵ちゃんっ!」


津乃田さんが気付いたところで

私は、暗くなった舞台に走っていた。


「晋太さん、こっちですっ」


「庵ちゃん!?ごめんね、ごめん、助かった」


明転する前に、急いではけよう。

晋太さんの手を掴んで、静かに、だけど急いで舞台袖に

向かう。よかった、なんとか間に合いそう。



(うわっ、いっった……!)


少し慌てすぎたのか、転けはしなかったものの

思いっきり足を挫いた…私が慌ててどうする!



「晋太くん!心配したじゃないっ!!」


「羽多ちゃんごめん〜〜、稽古だとちゃんとバミリが

 あったから安心しきってた…あんなに暗いとは…」


「庵ちゃん、よく行った、偉い!

 おかげで無事明転した!さすがの私もちょっと焦ったわ…」


「あははっ、何もなくてよかったです…!

 本番はちゃんと、バミリを忘れないようにしないとですね」


「そうね〜、晋太くんも本番前再確認する様にしといて?」


「そうだね、僕もちゃんと確認するよ」



大事なゲネだけど、本番じゃなくてよかった〜…

それにしても、落ち着いたらさっき挫いた足が痛い。


「ちょっと、飲み物とってきますね」


痛い。あの一瞬はアドレナリンが出てたのか?

冷静になると凄く痛い…自分がアホすぎて笑えてくる。


(晋太さんを助けた手前、足挫いたとも言いにくい…)



「いたいた、庵ちゃん、ちょっと」


「津乃田さん?」


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