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推しよ!どうかこのキャラ演じてください  作者: 津河ここめ
第十三章
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本番は明日


「ここは、早くはけたほうが良いね?

 こっちのセリフは少し、ゆっくりお願いできる?」


羽多さんも粟島さんも朝から、細かい所の修正をしていて

とても話しかけられる雰囲気ではない。

私も、晋太さんと下坂さんの部分以外は

特にすることもないので、他の部分を手伝っている。


明日はゲネだ。


「庵ちゃん、ごめんこの道具を

 向こうに持っていってもらっていい?」


「はいっ、2段目に入れといていいですか?」


「うん、お願いね〜〜」



音声さんの備品を磨いたり、役者さんの差し入れを

買いに行ったり、照明さんたちの道具運びを手伝ったり

本当に舞台は色んな人が関わって、色んな仕事がある。


とりあえず、一通りの稽古が終わって、一段落。




「疲れてる?」


「…?…下坂さん!」


「ははっ、ぼーっとしてたでしょ〜〜??」


「いえいえ、下坂さんたちに比べたら私なんて…!」


「そんな事無いよ〜、皆で作ってるんだから舞台は!

 明日のゲネも頑張ろうね!」


「はいっ、ばっちりサポートしてますよ〜!」




私よりも、役者さんが忙しいのは当たり前だ。

それでも下坂さんは、他のスタッフの人にもこうやって

話しかけてくれて、場を和ませてくれる。

芸歴も長いし、声優としても、こうやってたまに

舞台で役者をやるにしても、すごく頼りになる。


粟島さんも、羽多さんも、下坂さん晋太さん

宏太さん、他の役者もスタッフも皆でいいものを。

舞台は、それが直でお客様に伝わる。


私が作りたいのは、作っているのは、そういうものだ。



明日のゲネに向けて、慌ただしく準備しているこの

空間で1人眺めながら、そんなことを考えていた。



「よーーーしっ、もうひと踏ん張り!」






時間は22時。明日の為に今日は少し早く終わった。


「…おっ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


明日、ゲネだって聞きました。頑張ってください。

初日は見れませんが、千秋楽には行けそうです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


裕さん、本当に律儀だと思う…。

あれから少し気まずくなっていたけれど、正直

気にしても仕方がない。ラジオの打ち合わせに行くと

たまに会う、逢坂さんと本田さんは気まずすぎるけど…


とにかく、明日のゲネではちゃーんと、皆を

サポートして、うまく終えられるといいな。



津乃田さん…観に来るのかな…。



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