表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/19

エピローグ とあるネカマヒーラーの冒険

本日2度目の更新です。

 今日も一段と空の青いベルモンテ。水しぶきが煌めく噴水広場の隅の壁に寄りかかり、会話しているプレイヤー達の姿があった。


「お久しぶりですね、師匠!」


「久しぶり、かれん。元気してた?」


 桃色の長髪をなびかせ、ファンシーな格好をしたホビティの少女。そして黒髪で剣と盾を持ったヒュームの青年。


「元気でしたよー! ところでメールが来たから分かりましたけど、なんで師匠は男キャラになっているのです?」


「ああ、これはちょっとした気分転換みたいなものでね。相方と相談して試しにやってみようってことになったんだ」


 初心者装備に身を包んだ青年はそう答える。これではどちらが師匠か分からないな、と苦笑する。


「2年もやってたらそうなりますよねー。私も新キャラ作ろっかなー」


「と、どうやら相方が来たみたいだ」


 青年の隣でアバターの実体化が始まる。誰かがログインしてきたようであった。


「お、レオンさんですね! じゃあ私はレンちゃんやティーナさんと遊んでこようかな」


「気を使わせちゃったみたいで悪いね。積もる話はまた今度ね、かれん」


 青年が申し訳なさそうに少女に頭を下げる。


「良いんですよー。久々のカノジョとのネトゲライフを邪魔するわけには行きません! それではまた!」


 そう言って少女が去ってゆく。カノジョではないんだけど……と青年が苦笑していると、アバターの実体化が完了した。



「お待たせしました」


「僕もさっきログインしたとこ。僕の格好もだけど、なんだか変な感じだね」


 出現したヒュームの少女に対し、青年がぎこちなく告げる。少女も同じ感想なのか、不自然な笑みを返した。


「やっぱり見慣れたアバターじゃないと違和感がありますね。どうします?」


「ま、今日はこのままで良いんじゃない? たまにはアリかなって」


「そうですね。ではまずは……やっぱり森に行きます?」


「だね。彷徨いの森が、僕たちのスタートにぴったりだ」


 お互いに理解し合ったように、言葉少なに会話が成立する。青年と少女はいつかのように、少女と青年がそうだったように、握手をして、PTを組む。


 きっと今日も楽しい冒険になるだろう、彼らはそう思って歩き始めるのであった。


これにてこの物語は完結です。

処女作のため至らない点が多々あったかとは思いますが、感想、評価、ブックマークなど頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ