S&M
この作品はノリと気分転換に書いてます
「なぁ、須藤」
「んだよ」
「"メイド喫茶"てどう思うよ」
「いや、お前、どう思うよて言われてもメイド喫茶と一言で言っても色んな種類のメイド喫茶があんだぜ?
まず、みじっかいスカートに半袖、フリルが沢山ついてるメイド服を着たメイドさんが『萌え萌えキュン♡』とかる言ってくれるのは想像つくだろ?お前はそんなもの程度と思ってるかも知れねえがメイド喫茶つっても中には割高になる代わりに1つのテーブルに1人のメイドさんが着いて料理の世話からおはなしまでしてくれるメイド喫茶もあれば、一見さんお断りっつーまさかの初めてのご主人様に対しては有る程度金を落としてくれるまでメイドさん1人寄ってこないような素人にはなかなかハードルが高い玄人向けのメイド喫茶まで取り揃えてるわけだ。
そんな酸いも甘いもあるメイド喫茶が一言で『こうだ!』なんて言えるわけないだろ?」
「いや、なんか、ごめんな。お前がここまでメイド喫茶に対する情熱を持って語ってくるとは思ってなかったんだ。いや、ホントすまん」
「ふん。まぁいいだろう。んで?何が言いたかったんだ?」
「この前の文化祭での出し物の話の時、お前エロゲのせいで寝てただろ?そんで逆転メイド喫茶になりそうだっての知んないだろ?」
「はぁ!?なんだそれ!逆転てもしかして…」
「ああ、男がメイド服を装備、女子は裏方っつー地獄だよ…」
「お前ッ!なんで前回それに反対してねーんだよ!!」
「出来るかっ!お前、誰のせいでこんなのやることになるか分かってんのか!?お前のせいだよ!文化祭担当の女子ども、寝てるお前のことみてニヤニヤしてたんだぞ?その壁になってやっただけでも感謝してほしいくらいだぞ」
「いやいや、それお前見てたんだろ?このクラスの女ってお前のこと裏でなんて呼んでると思うよ。"隠れ攻め"だぞ?陸部のまだ腐ってない女子から聞いた話だから冗談じゃねえからな?」
「え…お前、それマジ?俺は『須藤くんは総受けだよね?』て割とマジなトーンでオケ部の奴から言われてなんで俺に聞くのかと思ってたんだが…」
「…」
「…」
---ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
---ビクッ
「なぁ須藤」
「な、なんだよ」
「この見つめ合ってるみたいな状況がいちばんヤバイ気がするんだが、俺はこれからどうすればいいんだ?女子の好感度上げるためにお前にキスでもすればいいのか?お前にファーストキスを捧げればいいのか?いや、そんなことを言う前に俺が"攻め"なんだから有無を言わせず…」
「おい!帰ってこい!!そんな世界、踏み出さなくていいからな!!それにもしこのクラスの女の好感度が上がってもそんなの全部腐ってんだからな!?しかもその上昇に反比例して男の俺らに対する友好度と他クラスの女子の好感度はだだ下がりだから!!お願いだから帰ってこーーい!!!」
それではッ!2-Fの文化祭の出し物は『喫茶店BLに決まりました!皆さん!拍手っ!イエイッ!
「なぁ、須藤。俺たち一体どうなんだ?」
「いや、俺も聞きたいところだが、俺が言えるのは『俺たちに選択権なんてなかった』てことだけだ」
「…俺、頑張って"攻めて"みるからさ。俺のこの想い、受け止めてくれよ?」
「もう俺、泣いてもいいよな?このクソメガネはあっちにhas goneだし、他の男のは俺たちを生贄にして助けてくんねぇし、俺たちが何やったっつーんだよ…!なぁ誰か教えてくれよ…なあ…!」
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文化祭:県立F高校『立華祭』だしもの一覧
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2-F
『どきどき喫茶♡べーこん れたす』
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「須藤ごめんな、おれこれまでの人生楽しかったからな…須藤…ごめん…な…俺…は…先に…逝くか…」
---ガクッ
「おい、俺を置いてくなよ…こんな(腐った世界で俺を1人にしないでくれ…!メガネッ…!クソメガネーーー!!!」
Fin.
正式名称
S&M→須藤とメガネ
でした