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【良い所・悪い所】

【良い所・悪い所】


てんちゃん、てこちゃん、りーくんの通う学校で、こんな宿題が出されました。


「自分の良い所と悪い所を見つけましょう。」


学校の帰り道、てんちゃんとてこちゃんはその話題でもちきりです。


「てんはね、歌が上手なところがいいところで、忘れん坊なのが悪い所かなぁ?」


「てんちゃんは、歌が上手いっていうか、元気がいいだけだよね。」


「あ、そっかー!じゃあ、大声コンテストで一番になったこと!」


「それは良いかもね。私は、真面目なところがいい所でも悪い所でもあるかなー。」


「ねーねーりー君は?」


りー君はびくっとしてしまいました。


「僕は・・・。」


りー君は、自分に良い所があると思えなかったのです。


「良い所・・・ない・・・。てんちゃんみたいにいつも明るくて元気で優しくないし、てこちゃんみたいにかっこよくて頼りになるのに女の子らしくてかわいくないもん・・・。」


りー君の顔は真っ赤です。


てんちゃんとてこちゃんは顔を見合わせました。


「てんって、いつも明るくて元気で優しかったんだ・・・。」


「私も、真面目なだけだと思ってたけど、かっこよくて頼りになるのに女の子らしくてかわいいんだって・・・。」


ふたりは声を合わせて言いました。


「知らなかった!」


りー君は、二人の様子に戸惑ってしまいました。


「わかった!」


てんちゃんが言いました。


「りー君の良い所はお友達の良い所をたくさん見つけられるところだ!」


すると、てこちゃんも言いました。


「悪い所は自分の良い所に気づいてないところ!」


「え?え?」


りー君は二人の顔をおどおどしながら見ました。


「でも僕、弱虫だし、すぐ泣くし・・・。」


「でも、私とてんちゃんは、りー君に良い所を見つけてもらえてすごくうれしかったよ!」


「りー君が泣くのだって、怖いの我慢して頑張ってるからだって、てん知ってるよ。」


りー君は真っ赤な顔で涙を流しました。


「僕、二人の友達でよかった・・・。」




次の日、三人の宿題には書ききれないほどの良い所と少しの悪い所が書かれていました。


三人とも大きな花丸をもらい、嬉しそうに笑いあいました。



おしまい



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