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「それならお嬢ちゃん、私の馬車に乗りな。

 近くの村まで連れてってやるよ。」


あの後腹も減ってきて途方に暮れていた僕たちを、馬車に乗せているのは、

親切そうな顔をした老婆だ。

天才の僕は老婆だろうが危ないからと言ったのだが、この小娘が「それならここで飢え死にするんですか!?」と反論してきたのだ。

僕とて、せっかく異世界に転生したのにこんな何もない平原で死にたくはないのでとりあえず頷いておいた。

(それと、危惧していた言語が通じるかどうかは、問題ないらしい。)

こんな所だけ異世界チートしやがって。


「わっ!このパン美味しい!お婆さん、ありがとうございます!」

「そうかえそうかえ。」

(ふん、能天気な小娘め。おい、確か桃花とか言ったか。

 今お前に入っているこの僕が生き延びるためにも、お前に何かあったら困るのだ。)


「もぐもぐ……おいしぃ……。」

桃花はひたすらパンをもぐもぐしている。

 (おい聞いてるのか?……ん?)

急に視界が真っ暗になったぞ。


「すー……すー……。」

「ふぇふぇふぇ、やっと眠ったのう。」

(げ、寝やがったぞコイツ!まさかこの婆が!?)

「こんな草原に子供がいるなんて、とんだ馬鹿で世間知らずだと思ったが、案の定引っかかりおったな。

パンに睡眠薬を仕込んでおいて眠らせたら、あとはそのスジの物に高く売るだけじゃ。

これだけの上玉だから、きっと高い値がつくじゃろうな。」

げぇーッ!この婆、奴隷商人ってやつか。


不味いぞ……もし奴隷になんてされたとしたら、僕の異世界チートライフがパーだ!

(おい小娘、起きろっ!起きてくれっ!)

「すー……すー……。」

「ふぇふぇふぇ。さぁて、そろそろ村に着くからな。

 あの村は私の根城だから、お仲間に会えるよ嬢ちゃん。ひひっ。」


(小娘、おい起きろ!桃花、桃花ッ!!)

奴隷だなんて、これからどうなっちまうんだぁーーーーー!


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