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地の分少な目


非現実的な空間の中、一人の少女と白い”もや”のようなものが対峙している。


「わたし、桜井桃花さくらいももか、西桜野小学校3年生です。

お友達のめろんちゃんと一緒に街で遊んでいたら、めろんちゃん先に行っちゃったから……。

 あわてて追いかけたら……おおきなトラックが……っ」

「うんうん。それで?」


その時のことを思い出しているのだろう、少女が涙ぐみながら話す。


「逃げようとしたんだけどっ……足が動かなくてっ……!」

「そうだねえ、辛かったよねえ。

 でも大丈夫!君はトラックに轢かれて死んじゃったけど、神さまのワタシが生き返らせてあげるよ!」


この場にそぐわないほどの明るい声で、自らを神と称する”もや”はそういった。


「そうなんですか……?」

「本当だよ。」


「……神さま、わたしをめろんちゃんの所に帰らせてください。」


「それは無理だね。」

神は否定する。


「なんで!」

「神さまのワタシでも、時間だけは戻すことは出来ないんだ。

 ごめんね。」

「そんな……。」

「その代わり、君をおとぎの世界に連れて行ってあげるよ。

 君の大好きな本の様な世界だよ。」


「わたしは……」

「君の大好きなおとぎばなしのような世界だよ。

 一面に広がる大草原にお馬に乗ってる兵士たち、それに大空を翔るドラゴンもいる。

 どうだい?行きたいだろう?」

「……………………。」


数分の時間が経ち、うつむいていた少女が頭を上げて口を開いた。

「…………行きたいです。」


「じゃあ、行ってらっしゃい。」

「へっ……ッ!?」


少女の足元に突如穴が開くと、少女を吸い込んでいく。

「きゃあああああああああっ!!!」


誰もいない空間で、”神”と名乗った者は一人呟く。

「ぐっどら~っく、異世界の勇者サマ。」


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