朝が来た後で
モニタールーム
そこには、一人の男がいた。
モニターには、ある男が、無残な死体の前で手首を切る映像が映っていた。
男は、その映像を見ながら、クククと笑っていた。
男は、すこし、快楽を感じるところが人と違っていた。
血が出るのを見たとき、人が、不可能なこととぶつかったとき、人が死ぬとき、そんなときに男は快感を感じた。
彼のことを、悪だとか、ごみだとか思う人もいるかもしれない。
しかし、彼にとっては彼は、正義であり、主人公であり、大切な人であった。
当然だ、彼は別に人間としての理性、プライドがないわけではない。
彼は、引きこもりだ。
外に出ると、快感を求め、人を殺めてしまいかねない。
彼は、そんな自分が大嫌いだった。
人を、殺してしまう自分が、、、
しかし、快感を求める衝動は抑えきれない。
夜に、彼は、外に出かける。
外にはいろいろな人がいる。
その中の、目に付いた一人、その一人が今日の犠牲者だ。
その人には悪いが、これも僕が生きるためだ。彼はそう思って、スタンガンを、その人に押し付ける。
薬を飲ませ、記憶を、忘れさせ、彼が作った、監禁部屋のどこかに放り込む。
その部屋に、入ってきた人には、クリア不可能のゲームをさせるのが大好きだった。
そのために、シナリオを書いておいて、そのシナリオどおりに、人が動くのかを見る。
シナリオどおりに動くと、彼は快感を感じる。
そして、絶望を目前とした人は死ぬのだ。
彼はひたすら、身もだえ、興奮し、快感を得る。
そして、朝になって眠るのだった。
その人から見れば正義でも、他人から見れば悪
そういう風にできているとおもった。