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暑い夜
どうしてこうなったのだろう?
あの時俺はどうすべきだったのだろう?
そんな事を考えながら虚ろな目で空を見上げると、星が夜空を覆っていた。
「もうこんな時間か」
暑い夏の夜の帰り道、セミの鳴く声が頭の中に響いてくる。
俺の家に帰るには「アイツ」の家の前を通らなくてはならない。
「アイツ」にはさっき悪い事をしてしまった。
俺がこんな時間になるまで学校付近にある公園で考え込んでいたのもそのせいだ。
「気にして無いから」
「アイツ」はそう言っていた。しかし気にして無いと言われると罪悪感が倍増しになる。
もうそろそろ「アイツ」の家だ。
そして、「アイツ」の家の前を通り掛かった時…
包丁をもった「アイツ」が…
そんな事ある訳ないか。
俺は自宅に着くなり風呂に入った。
そして晩飯を食い、床に就いた。




