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第九話 略奪者への「リスクマネジメント」
村が豊かになり始めた矢先、偵察役の村人が青い顔で駆け込んできた。
「タ、タケル! 野盗だ! 近くの峠に三十人以上の武装集団が陣取ってる……明日にもここを襲う気だ!」
村中がパニックに陥る中、健一は一人、冷徹に状況を分析していた。
(三十人か……正面突破は不可能。だが、彼らは『ならず者』の集まり。つまり、組織としての規律も福利厚生もないはずだ)
1. スキル【精密監査】の広域展開
健一は峠に向かい、遠目からスキルを発動させる。
「【精密監査】……対象:敵陣の補給状況および士気」
視界に映し出されたのは、スカスカの食料袋と、不平不満を漏らす下っ端たちの「不満度グラフ」だった。
(なるほど。リーダーが利益を独占し、下っ端は飢えている。……これは『ブラック企業』の縮図だな)




