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第七話 最初の成果
武尊は、村の老人たちを集めた。
「皆さん、今のままでは冬を越せません。私に『三ヶ月』だけ時間をください。この村の生産性を倍にしてみせます」
最初は鼻で笑った老人たちも、健一がサラリーマン時代に鍛えた「プレゼン術」――図解を地面に描き、具体的な数字(収穫予測)を示す姿に、次第に圧倒されていく。
「この男、ただの余所者じゃない……!」
一ヶ月後。
武尊の指導で改良された畑から、見たこともないほど立派な「白い芋」が収穫された。
それは、現代のサツマイモのように甘く、腹持ちが良い。
「甘い! こんなに美味しいもの、生まれて初めて食べた!」
村中に笑顔が広がる。アルが涙を流して芋を頬張る姿を見て、武尊の胸に、前世では得られなかった熱い感情が込み上げた。
「……これが、誰かの役に立つということか」




