3/13
第三話 理不尽な世界
その時、粗末な扉が蹴り破られた。
「おい、まだ生きてたのか。しぶといゴミ屑め」
入ってきたのは、立派な革鎧を纏った男たちだった。この領地を治める代官の部下だ。
「おい坊主、今月の『安全税』だ。金がないなら、そのヤギを置いていけ」
「待ってください! これがいなくなったら、僕たちは冬を越せません!」
少年が必死に男の足にしがみつくが、男は無慈悲に少年を蹴り飛ばした。
その光景が、かつての自分に重なる。
力のある者が、理不尽に、持たざる者の大切なものを奪っていく。
武尊の腹の底から、どろりとした熱い塊がせり上がっていた。




