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第十三話 証拠の提示
戦意を喪失した私兵たち。武尊はさらに追い打ちをかける。
「バッカス代官。あなたが横領した軍事資金、および隣国のスパイとの通信記録……すべて【精密監査】でバックアップ済みです」
武尊が空中に指を走らせると、光の文字で代官の隠し口座の全容が浮かび上がった。
「これは……!? なぜそれを!」
「監査を甘く見ないことだ。あなたは、組織にとっての『不良資産』ですよ」
そこへ、武尊が事前に「報告書」を送っておいた領主の直属軍が到着した。
バッカスは、かつての武尊がそうされたように、その場で全ての権利を剥奪され、引きずられていった。
静まり返った村。
「タケル兄さん……勝ったんだね」
アルが震える手で武尊の服を掴む。
武尊は空を見上げた。前世のあの雨のホームとは違う、突き抜けるような青空。
「ああ。……今度は、誰も失わずに済んだな」




