見守る未完成の月
御天道様は草木の向こう
未来のために眠りに就く
世界の端から迫る宵
黄昏色から藍色に染まりゆく
黒く塗りつぶされた空
散りばめられていく星々
家々に点る灯りたち
蛍火のように淡く優しい
俯き帰っていく人々
その背に触れる夜風
私も皆と同じ方向へ帰る
只私は灯り点らぬ闇へと向かう
孤独紛らすように
空に重い息を吹きかける
見上げた先に在るは
未完成の月
煌々と
淡く優しくこの世を照らす
月灯りはまるで私を慰めるかのように
私の頬に優しく触れる
私の頬に伝う
温かな雫……
私の帰る先は闇じゃない
夜空で貴方が見守ってくれている
未完成の月に微笑み
私は再び帰路を歩く
貴方が見守るなか
私は灯り点らぬ家へ帰りつく