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第六話「戦闘」

人の腕よりも太い巨大な杭がバルクの臀部を貫き、口部からその先端を覗かせていた。


「ガ......あ、が」


頭部まで達しなかったのが幸いなのか......バルクは辛うじて生きているようだった。


「リ、リリッ!!回復魔法!!」


「えっ......あ、あ」


突然の出来事でリリは思考が追いついていないようだ。


串刺しになっているバルクを前に呆然としていた。


「ゴメン......リリッ......!」


オレはリリを正気に戻す為、リリの頬を叩く。


「このままじゃあバルクが死んじまう......助けれるのはリリだけなんだっ......!しっかりしてくれッ!!」


「は......ご、ごめんなさい......ワ、ワタシ」


正気に戻ったリリはバルクに回復呪文を唱える。


しかし、回復魔法で出血は抑えれても、杭から抜かなければ助ける事ができない。


「ミリアルド......!杭だけを燃やせないか?!」


「で、できます......!!」


ミリアルドが呪文を唱えると杭が一瞬で灰となりバルクがその場に崩れ落ちる。


オレたちはすぐにバルクに駆け寄るがーーーもう息はしていなかった。


「そんな......バルク、嘘だろ?なぁ......起きろってお前の笑い声がないと寂しいだろ......起きろって!!」


オレは必死にバルクの肩を揺さぶるが反応が返ってくる事はなかった。


「レッド......もう楽にさせてあげましょう」


ミリアルドが見開いたバルクの瞳を閉じる。


「仇はボクが取りますよ......」


ミリアルドが怒りの表情を浮かべゴブリンを一瞥する。


「ボクの友に手をかけた事......後悔させます」


ミリアルドが呪文を唱え始める。


ゴブリンが罠を仕掛けているのであればコチラはヘタに動かず魔法で攻撃するのが得策だ。


しかもゴブリンが距離を詰めて近接に持ち込んでも恐らく間に合わない。


ーーーそれこそ遠距離用の武器ーーー弓でも無い限り。


しかしあのゴブリンは隻腕......弓なんて使えるわけが......


だが、オレは我が目を疑ってしまったーーーゴブリンはいつの間にか、失われた方の腕に木製の"義手"を付けていたのだ。


しかもその手には弓を所持している......


(しまった......!!)


ーーーどす。


鈍い音がしたーーーまるで切れ味の悪い刃物で肉を裂くような音だ。


「あ......あ......ア?」


ミリアルドの喉に一本の矢が突き刺さり、そのまま卒倒してしまう。


「リリッ......!ミリアルドを頼む!」


「わ、わかった......」


ミリアルドとリリを守る為、盾を構えゴブリンの攻撃にオレは備える。


ゴブリンは安直に攻めて来ず、コチラの様子を再び窺う。


「リリ......ミリアルドは大丈夫か?!」


「わ、わかんない......傷口は塞いだはずなのに痙攣が止まらないの......!」


「なっ......まさか」


脳裏に過ったのはーーー"毒"


まさか、鏃に毒を塗っていたのか......?

そんな事をするゴブリンなんて聞いた事ないぞ......!


「リリ......恐らく"毒"だ......毒消しの魔法を......」


そこまで口にしミリアルドの方を向くーーーが時既に遅く、ミリアルドは死んでいた。


「そ、んな......嘘だろ......」


「レッド......ごめんなさいごめんなさい......ワタシ......」


リリは涙を流しながらオレに謝る。


そんな顔をしないでくれ、リリはなにも悪くない......悪くないんだ。


オレは剣を抜き、盾を構えながらゴブリンとの距離をじりじりと詰める。


オレは目の前のゴブリンへの怒りと憎悪で剣を握る手に力が入り血が滲んでいた。


ーーーゴブリンがあっさり弓を捨て、腰に下げていた棍棒を取り出す。


どうやら見習いとはいえ、剣士のオレと近接で戦うようだ......甘く見られたもんだなっ......!!


オレは罠を警戒しつつ、ゴブリンの懐に飛び込む。


ゴブリンもオレの動きに反応して棍棒を振り抜いて攻撃してくる。


ゴブリンがオレの踏み込みに反応できてことに驚いたものの、オレは盾で棍棒を防ぎ切る。


更にオレは盾を使い《シールドバッシュ》の"戦技(アーツ)"を繰り出す。


盾で強烈に押し出されたゴブリンは仰け反り(ノックバック)するーーーオレはその隙に、ゴブリンに前蹴りをし転倒させる。


オレの前蹴りをもらい苦しみ悶えるゴブリンに馬乗りになる。


「この薄汚いゴブリンがッ......!!オマエのせいでバルクもミリアルドもーーー」


ゴブリンにトドメを刺そうと剣を振りかぶろうとした瞬間ーーー首にチクリと痛みが走る。


「......イッ?!」


瞬く間に視界が歪み平衡感覚が失われた。


ボヤけた視界で分かった事が一つ......"義手"から何かが射出された事だった。


ーーー遠くでリリが叫ぶ声が聴こえた。


「......ニ......レ、ロォ......」


オレの口はもう満足に動かない......


どうか神様......リリだけは救ってください。


オレの意識はそこで途絶えた。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

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