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第四話「強敵」

数日、森での狩りでレベルも上がりスキルの使い勝手も理解できた。


結果......森で狩ることのできる目星しい獲物は目に見えて減ってしまった。


いたとしても儂の姿を見ると怯えて逃げと隠れに徹されてしまう。


まぁ......雑魚を狩ってももうレベルの上がりが悪いので罠を使って追い詰めるほどでも無い。


儂は先ほど狩った猪のような化物の皮を剥ぐ。


スキル《道具作成》で簡易的な毛皮装備を作っているところだ。


この身体は貧弱過ぎるからな......少しでも防御を上げておいて損はないだろう。


しかしこの《道具作成》は便利だ。


おかげでナイフや弓といった武器や防具を作れるだけでなく"義手"まで作れるのだからな。


儂は改めて木材で作った簡素な義手を見る。


動力はゴブリンの身に宿る少量の魔力で動かし、機構は義手内部にあるカラクリだ。


木の歯車など一つ一つ作っていたらキリが無かったが《罠術》と同様に《道具作成》も一度作ってしまえば素材を集めるだけで十分であった。


儂は一通りの作業を終え、《弓術》の鍛錬をする事にした。


動くとはいえ"義手"だ......弓の感覚を掴むまでコツがいるのは明白だった。







弓の鍛錬も一区切りつけ、森の中を巡回する。


敵はいないか、食糧はないか、素材はないか......考えることは山程あった。




ーーードスン



ふいに背後から巨大な気配を感じた。


ーーーブォン


凄まじい風切り音が儂に迫る。


儂は危険を察知し這いつくばるように体勢を縮めた。


そして振り返るーーー。





そこには人よりも大きい巨躯のゴブリンがいたのだーーー。







(コイツ......ほんとに小鬼か?)


つい、心の中で悪態を吐いてしまう。


それはゴブリンとは思えない程の体躯であった。


『ウガァァァァァァァァァァァァァ!!!!』


巨躯のゴブリンが雄叫びを上げるーーー森が揺れるような錯覚を感じる程の声量だ。


ーーーおもしろいっ......!!


『警告』『警告』『警告』『警告』『警告』


臨戦体制に入ると脳内に声が響く。


『対象は特異個体。ゴブリン【ロブト族】亜種。ゴブリンジャイアント』


聴き慣れない音声が脳内を反芻する。


ーーーやかましい、なんだコレは?!


『対象音声はスキル《観察眼》によるもの』


スキル《観察眼》は魔物の情報を視覚で確認できる有用なスキルだったので取得したのだがーーー音声付きのガイドまでするのか。


しかし今はどうでもいい......


こんなに愉しそうな相手を前に退くなどあり得ないのだからな!!!!


儂は即座に弓を構え矢を放つーーーがゴブリンジャイアントの皮膚は貫けない。


試しにもう数本放つがせいぜいかすり傷程度......といったところか。


儂は罠を複数設置した己の陣地(テリトリー)に誘い込むことにした。


狂った獣のように儂を追いかけてくるが、幸いにも逃げ足は儂の方が断然に速いーーー。


儂は陣地に辿り着くと素早く身を隠す。


暫くしてゴブリンジャイアントという個体も辿り着き儂を探し始めた。


さてーーーどうしたものか。


儂は頭の中でコイツに勝つ戦略を練る......


正直、あの膂力......勝つ確率の方が断然に少ない。


しかしやるしかない。


儂は隠れていた場所から飛び出しゴブリンジャイアントの目の前に姿を現す。


『ウガァッ!!!!』


ゴブリンジャイアントはその身に合った巨大な棍棒を儂に振り下ろす。


しかし強力とはいえ、動きが単調......避けることは容易い。


儂はゴブリンジャイアントの攻撃を避けながら罠へと誘導する。


案の定、警戒もせずに進むからゴブリンジャイアントは設置したトラバサミに掛かる。


『ガァッ......?!』


流石に鉄製の罠は効くようで痛みでゴブリンジャイアントも苦しんでいた。


どうやって息の根をーーー


と思考していると思わぬ光景が。


なんとゴブリンジャイアントはあろうことか、トラバサミが掛かっている脚を持ち上げ、罠ごと引き抜いてしまったのだ。


だがしかしーーー


トラバサミは未だに脚に食い込んだままだ。


それでは機動力は半減以下であろうに。


ヨタヨタと歩くゴブリンジャイアントに先ほどまでの危機感は感じない。


儂はゆっくりと再び矢を構える。


狙うはーーー眼球。


放たれた矢は導かれるようにゴブリンジャイアントの右眼を貫く。


『ア、ガ......』


これは致命傷にはならないだろう......しかし鏃には麻痺作用のある毒が仕込んである。


巨大なゴブリンは痙攣しその場に倒れ込んだ。


このゴブリン......亜種と言っていたがどういう事だ?


この場で息の根を止めるのは惜しい......と思い咄嗟に致死性の毒ではなく、麻痺毒に切り替えた。


少し調査する必要があるな。


儂はゴブリンジャイアントの手足の腱を切り動きを封じたーーー。



ここまで読んで頂きありがとうございました!

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