ニシモトの西田です「顔が大きいからや!」
あれから二週間が過ぎた。
今日はサプライズにオレが初登場した回の放送日だ。
「よう3点君」
「高田さんその呼び方やめてください」
「ええやんけ〜」
「イヤです」
ったくこの人は……
あれ西田さんだ…
「西田さん!」
「なんや亀谷?」
喋りながらこっちに向かってくる。
「この前女の人と一緒にいましたよね?」
「ホンマかニシモン」
「いや〜いや〜見間違いでしょ〜」
西田さんがちょっと焦てる…
「そうですかね…
まぁいんですけどね
でもその女の人どこかでみたことあったんですよ」
「……オレは知らんけどね……」
「いや〜すいませんでした」
絶対あれ西田さんだ…
知らん振りしてるけど……
こんなカンジでサプライズの収録が始まった。
「皆さんスタンバイお願いします」
ADさんの声でみんながスタンバイしている。
一人を除いて……
「西田さん準備しましょうよ」
「皆さんすいません
一人が仕事の都合で遅れてくるんです」
みんながスタンバイ場所で周りと雑談している。
「ニシモンさんなんですぐスタンバイしないんですか」
若手芸人に聞かせる。
「いや〜すまんすまん」
笑いながら謝る西田さん。
なんかあるな………
三十分後………
「すいません!!遅れました!!」
遅れてた一人がやっときた……
って……あの人……
「それじゃ撮影入りま〜す
3
2
1」
「クイズ・サプライズ〜ヒットパレード〜
」
(ワァァァァァ)
「今日は新入りさんが来てます」
「まじっすか?」
芸人さん達が立ち上がる。
「噂によるとよほどの“バカ”だそうです」
バカを強めに言う。
「では順位発表」
1位……
……
……
……
……
……
……
第16位7点亀谷毅史。
「ヨッシャ!」
「おいバカ兄弟の長男」
「バカ兄弟ってオレのことですか?」
「他に誰がいんねん
亀谷毅史
山上太一
上久保直行
の3人でバカ兄弟や」
兄弟か…
「悪い気しませんね」
「何いっとんねん」
オレはネームプレートもらって雛段式の席についた。
西田さんの様子がやっぱりおかしい気がする。
「なぁレベッカいつになったら点数取れんねん?」
「いつでしょ〜」
おっとりしたカンジで答える。
「そんでお前や…
噂以上やな……」
「マジっすか!?」
「マジやで」
「いや手応えちょ〜あったんすよ」
なんか今時なカンジの子だ…
「第17位」
4点獲得レベッカさん。
「やった〜」
「やったやないがな」
レベッカはオレの隣に座り
「やったよ亀兄勝ったよ」
嬉しそうだな…
「おめでとう」
「ありがとう」
笑顔で返してくる。
「なぁお前さ〜どうすんねん」
「どうしましょう」
「2点やで」
(2点って)
雛段のみんながざわつく。
「まぁええわ
頑張っていきろよ」
「はい頑張って生きます」
そのまま彼女は雛段に上らずカメラに向かって
「ど〜もモデルの岩下雪で〜すちゃリ〜ス」
「いいからはよ行けや」
「は〜い」
やっぱり西田さんの様子がおかしい。
たぶん女が関係ある気がするな……
西田さんはいつもと違う雰囲気の中、収録は進んでいった。
「みなさんお疲れ様でした」
おつかれさま〜
みんな口々に言ってスタジオから出て行く。
「岩下また来るんやで」
収録の間ずっと珍回答だったからな…
「また強力なやつが来たで」
嬉しそうに言う吉伸さん。
その間も西田さんは黙ったままだ。
「ニシモンさんどうしたんすか?」
若手の芸人さんたちが聞く。
「なんでもないわ…」
そのままスタジオから出ていった。
「やっぱなんかおかしいよなぁ〜亀谷……いねぇし!」
オレは西田さんを追いかけていた。
ニシモトの楽屋の前……
西田さんはもう楽屋にいるみたいだ。
ドアをノックしようとしたとき…
「今はやめとけよ」
オレを止めたのは相方の井本さんだった。
「今はやめとけ」
「何でなんすか?」
「いいから…」
なんか複雑な顔をしてる……
「わかりました
また今度にします」
「すまんな…」
「大丈夫ですよ」
オレは自分の楽屋に戻っていった。
そしてオレの初登場の回は珍回答だらけで大反響があったらしい……