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死神ですが、世のため人のために殺人事件を解決することにしました。  作者: 色
第一章 死神ですが、警官です。
2/9

犯人ですが、アリバイが完ぺきです。

犯人のめぼしをつけます

「タバコ吸ってもいいか」

「あなた幽霊にそんなこと聞くんですね」


ポケットからzippoを取り出し息を深く吸った。


「その男の名前はわかりますか」

「いいえ、ネットで知り合った男ですから」

「なぜそんな男性と会ったりしたのですか」

「私が先日SNSにて時計を自慢したんです。

 とても高価なものでしたから、誰かに見てほしくて。」


典型的な成金趣味の男だ。

大体こういうやつは性格がひねくれている気がする。

確かに身に着けているスーツなどは高価なものだった。

大体、ネットで男同士があってるんじゃないよ。


「それで、どうやって出会うことにつながるのですか」

「彼が私の時計を譲ってほしいと頼みこんできたんです。

 あまりにしつこく来られて。現金で、かなりの額を支払うというものですから、つい」


ついじゃないだろ。

完ぺきなバカだった。

金に目がくらんで死んでしまうとは情けない。

しかし、これらの情報だけでは犯人の男が特定できない。

とりあえずこの男のSNSから情報を引き出してみるか。


「みやび、携帯で友人関係を探ってんだろ、ちょっと手を貸せ」

「急になんだよ、お前が俺に貸せ」


みやびと合流し、携帯の中の情報を探る。

もちろんパスコードがかかっていて開くことはできない。


「くそ、パスコードなんなんだ」


顔を上げ、男を見るがうつむいていて何も言わない。


(パスコードおしえろ)


口パクで伝えてみるがじっと固まったまんま動かない。


教えろ。


びくっと体を震わせたが声を発することはなかった。


「よし空いたぜ、こいつパスコード4545だ、脳みそ中学生か」


教えたくない理由がしょうもなさ過ぎて笑いがこみあげてくる。

それを当てたこいつも脳みそ中学生以下だな。


「笑いたくなる気持ちもわかるが死んだ人間だぞ」

「いや、気にしないでくれ、それよりSNSを立ち上げてみてくれ」

「指図するな」


そういいながら、みやびは反抗しメールを開いた。

4545野郎が。偉そうにするな。

当てたお前も同じ脳みそだぞ。

お前が当てたことに対して笑ったんだぞ。


「頻繁に連絡を取っている相手がいるな。

 山崎徹か、こいつとは友人で以前から金銭関係でもめてたみたいだな」


渡された携帯電話をのぞいてみる。

その中には暴言だらけ。

やり取りのほとんどが田中が山崎に借金していたことだ。

電話の着信履歴も相当なことから、かなりの怨恨があるのだろう。


「そいつじゃありません!犯人は違う男です!」


履歴を確認してみるがほかの人物の名前はない。

電話にもメールにも。


「よしじゃあこの山崎っていう男に事情聴取だな」

「待て、彼のSNSも確認してみよう」

「それはご勘弁を…」


自分でSNSがらみの事件と言いながら隠している。

怪しい。


事件の調査をしてほしいなら頼む。

そういうとうつむきプルプルと震える。


「やっぱいけませんんん!」


SNSを開こうとすると、突進してくる田中。

当然霊体になってしまっているため体をすり抜け後方へと追いやられる。

そのまま体を通り抜けた田中は地面へと転がった。

だらだらと流れる汗が気持ち悪い。

自分には付いていないはずなのに肌にべっとりとした感覚を覚えた。

ついていないはずの体液をぬぐい、携帯を覗く。


「お、おい、このおっさん…」

「どうした」

「かなりの変態だぜ…」


みやびが見せてきた携帯には明らかに未成年と思われる女の子の裸体の写真。

無数のいいねを押していた。

個人メッセージでの気味の悪いやり取り。

自分の一物を写真に撮って送ったりもしていた。


「ああ、恥ずかしい」

「しかも、金銭を支払って何度もあっていたみたいだ」


気味が悪い。

女子高生の気が知れない。

こんな清潔感のない男と行為なんて。


「この線もあやしいな、見ろ、6時以降から食事の約束をしている。

 しかも集合場所もこのあたりだ。

 この女も調べてみよう」

「しかし女の子にあんなボコボコにされるとは考えにくい」

「念のためだよ、一応、な」


金銭目当てで寄ってくる女ともめて殺害された。

彼の爪が丁寧に切ってあったことも何となくだが腑に落ちた。


「よし、行くか」

「待てって、こっちのアカウントなんかどうだ」


時計の自慢について書かれていないことから別のアカウントを探ってみる。

開いたアカウントには自分の身に着けているアクセサリーや、服の自慢だらけだった。


「やっぱ気色の悪いおっさんじゃないかよ、やめやめ」

「いや、個人メッセージを確認しよう」


右下のボタンを押して個人メッセージを確認する。

そこには一件しかやり取りがなく、内容は時計をどうしても譲ってほしいというものだった。


「おいこれって」

「ああ、集合時間は5時ごろ、死亡推定時刻とは一致しないな」

「こいつの線はなしか」

「そいつです!そいつが犯人です!」


その男の叫びとは裏腹に時刻は物語っていた。

彼が殺されたのは、8時ごろ。

時間的には全く合わない。

彼も調べてみないとわからないな。

しかし、こうもアリバイが完ぺきだと捕まえるのは至難の業だ。


「とりあえず、ここから近い女子高生のもとへ訪ねてみよう。

 幸い、土曜だし家にいるだろ」


とりあえず女子高生の家へ行ってみることにした。

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