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第二部 後編① 俺と彼女の雨模様

キャラクタープロフィール更新しました〜是非見ていってください!

何かしらのヒントがある…かも??


では、本編をご覧ください。

 「駿さん、残念ながらもうお時間が来てしまったようです…。」


 「そ、そんな!天使様…でも俺は、一生ここで貴方と一緒にいたいです!」


 「それはなりません、私は天界に帰らなければならないのです。」


 「もう、終わりなんですね…」


 明らかにガッカリした様子の俺に天使様はこう仰った。


 「ふふっ、あなたが不味い不味いと言いながらも毎日ちゃんと母の料理を残さず食べていることを私は知っています。そんな優しい貴女のことが私はとても大好きなんですよ。」


 彼女の包容力あるその笑顔はとても美しかった。


 「だ、だったら俺も天界に!」

 

 「でも、そんな優しい貴女にはまだ現世でやるべきことが残っているのでしょ?」


 「そうだった…俺にはまだ復讐が…ってなぜそれを!?」


 「私は貴女をいつも見ていますよ。貴方のその行動はいずれ皆んなを救う。貴方は自分を信じてください、失敗なんてしていませんよ。」


 「て、天使様…?」


 「いつかこの意味を分かる時が貴女に訪れるでしょう。」


 そう微笑んだ天使様は、美しい白翼を広げ空に舞い上がっていった…


 「天使様!!!せめて…せめて!貴女のお名前を!!」


 「私の名前は………」


 --------------


 「はっ!俺は生きていたのか!?」


 窓から覗く朝の日差しとリビングで毛布一枚纏っている自分の姿に、昨日の夜からそのまま寝てしまったことに気づいた。


 「俺は…不味い料理を食べさせられて、

お花畑で可愛い天使様と戯れていた筈…」


 戻ってこれたのか。(まぁあのままでも良かったけど…)


 それにしても、あの天使様の名前は一体…


 そんな出来事に半信半疑になりながも、本当に生身の体はあるのか確認するためにすぐに洗面台の鏡の前で自分を確認した。


 「うぅ…生きてる。これは俺だ!俺は生きていた!」


 自分の生存を確認した喜びもつかの間、

台所から悪魔の囁きが聞こえてきた…。


「駿!紫色のベーコンと青色の目玉焼きが出来たわよ!」


 だからどうしてそうなるの…。


 不快感を感じつつも、見た目はいつも通りだと思うと…今日は昨日ほどではないと感じることが出来た。

 ※彼は特殊な訓練を受けています。


 顔を洗い、歯を磨いて、制服を着て、準備の整った後…愛しの朝食(宿敵)へ立ち向かうのだった。



------------------


 

 「あ、暑い…」


 7月の暑さは強敵(朝ご飯)に立ち向かった後にも関わらず、更に追い討ちをかけてくる。登校中の俺は下敷きでパタパタ顔を仰ぎながら歩いていた。


 それにしても今にも溶けそうだ…。


 暑さに干からびそうになりつつもいつもの公園が視界に入った時、昨日の件をふと思い出した。


      『私…怖くって……』


 なんのために…そしてなぜ夏芽なのか… 未だにその真相は掴めておらず、昨日の母の料理でぶっ倒れてしまいストーカーの理由は愚か…約束したのにも関わらず俺は作戦すら立てられていなかった。


 (一体どうすれば…)


 暑さのせいで、ない頭は全然回っていなかった。


 まぁ昼休みまでにでもゆっくり考えればいいか。


 俺は無意識に空を見上げる。


 今日も素晴らしい空に、素晴らしい曲がり角、そして素晴らしい俺…


 あとは素晴らしい女の子がパン咥えて走ってくればな……


 この曲がり角に差し掛かると、こんな風に妄想を膨らませているのはいつものことだった。


 (あぁ…また、あの子とぶつからないだろうか)



*************


   4月7日

 


 「やばい!!高校入学早々、刻とか最悪だ!」


 中学を卒業し、春休みを満喫していた俺の日常は深夜アニメを見るために母の忠告も無視して昼夜逆転の生活を送るという毎日だった。


 そして忠告通り、初日から遅刻をしてしまっていた…。


 「担任が分からないけど、間違いなく怒られる…」


 こうなるんだったら母さんの言うとこをちゃんと聞いて録画にするべきだった…,


 

 そんな後悔をしながら走っていると、後ろから物凄い速さで追いかけてくる奴に気づいた。


 「おはよう駿!お前も遅刻だな!」


 「おはよう春。春も遅刻?俺らやっぱり似たもん同士だね。」


 「当たり前だろ、俺ら親友同士なんだし!」


 こんなカッコよくて優しくて、運動も出来る春が

親友でいてくれることに俺は改めて誇りに感じていた。夏芽も一緒の学校だし、こんどこそ高校で付き合える事も願っていた。

 でもそんな春と久々に会ったからこそ、どうしても聞きたいことがあった。


 「ところで春、高校の部活はやっぱり…」



 「あぁ、サッカーはもうやんねーかな…」


    (やっぱりそうだったのか)


 わかっていた。でもあんなにサッカーが大好きで、俺にサッカーを誘ってくれた春と高校では一緒に出来ないと思うと、聞かずにはいられなかった。


 「まぁサッカーだけやっててもつまらないだろ!今度は水泳でも挑戦しようかな!」


 「流石、春!凄いよ!」


 そんな何事にも決して屈しない主人公的な春の性格に俺は憧れも抱いていた。 


   (本当に春は凄い…)

 少しした後、2人に曲がり角が差し掛かった…


 「よし!駿!あの曲がり角まで競争な!」


 「え??」


 「負けた方はジュースなぁ〜。では、よーいっどん!!」

  

  (シュピーーーーーン)


 完璧超人の春はやはりめちゃめちゃ足が速く、すぐに曲がり角に到達していた。


 「駿!ジュースは俺が頂くぜ……」


 あいつ速すぎる……。


 しかし、春が曲がり角を曲がろうとした瞬間…



 「痛てぇ!!」


 「きゃっ」


 誰かにぶつかったのだろうか。急いで春に駆け寄った。


 「だ、大丈夫ですか?」


 春がそう尋ねた人は…


……………………え?


 彼女を見た瞬間、流れる時間がピタリと止まった。

 

 黒髪のロングストレート。赤色の瞳。そして何よりも圧倒的で凛とした綺麗な顔立ち…


 俺は…俺は一目惚れをしていた。


 そんな彼女は自分のスカートに付いたホコリを払いながら…


「あの…お怪我はありませんでしたか?」


 たぶん動揺を隠しきれていなかっただろう。その場で立ち尽くした俺は口をパクパクしたまま…頭だけが機能していた。

 

 (なんて優しい子なんだ。自分の怪我なんて全く気にせず、1番に相手のことを気にかける。まさに女神そのものだった。)


 そう言った女神が心配そうに俺らに眼差しを向けた途端…


 「!!」


なにかに驚いたような顔をしていた。何かあったのだろうか。


 次の瞬間、とんでもないことを口にした…


「しゅん…ちゃん?しゅんちゃんなの?」


 は?


 俺はこの人と知り合いなの??

 その瞬間、訳が分からなくなってしまった。



 


初めましてゼンサイです。

この度は本作をご覧頂き誠にありがとうございます!

よろしければここが面白かった。ここがつまらなかったなど感想を頂けると嬉しいです。


それでは引き続き、本作をよろしくお願いします!

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