02.創造神ゼネイラ
しばらくすると三人とも意識が冴え、自分たちが先ほどまで居た場所とは違うところに来たと気づいた。
「二人とも大丈夫か?」
「え・・・ええ・・・大丈夫よ」
「私も大丈夫です」
「零君、ここがどこか分かる?」
「恐らく神の住む場所、神界だろう」
「零お兄様、誰か近くに居ます」
「そうみたいだな。何の神かは知らないがそこに居るんだろ?出てこいよ」
三人は状況確認をし、零が近くにいるであろう神を呼んで見る。
「三人とも起きましたか・・・色々作業していたので気付かなくてごめんなさい」
「別にいい。神とやらも忙しいんだな。それよりなんで俺たちを転移させた?」
「神とすぐに認識できるんですね。とりあえず先に自己紹介しましょう。私は創造神ゼネイラです。ゼネイラとお呼びください」
「まあな。俺は八神 零だ。こっちが双子の妹の佐奈だ。それでこっちが幼馴染の有希だ」
「どうもゼネイラさん。妹の八神 佐奈です」
「零君の幼馴染の飯塚 有希よ。よろしくゼネイラ」
「それでさっきの質問だ。なんで俺たちを転移させた?」
「転移させた理由でしたね。まず私が創造し管理している世界、ゼネイラでは魔法が使えそちらの世界のゲームという娯楽の中にあるステータスやスキルというものが存在します。
実力主義であるため、ある程度指標があり分かりやすいのですが、ある国でどうやら勇者召喚を行い、私たち神を殺して世界を支配しようとしているみたいなのです。
いくら、実力主義とは言え神でない彼らが支配しようとしてしまうと、世界が崩壊してしまいます。
また本来であれば勇者召喚は神が必要のときに行う措置であり、人間が行うことは禁忌なのです。
なので対処をしたいのですが、私たち神は世界に干渉しつづけてしまうと、世界を崩壊させてしまうのです。
そこで別世界から魂が強い方を転移させていただきました。その方達が零さん達三人というわけなのです。」
「なるほどな。がしかし別にゼネイラに住んでいるやつらに頼めばいいんじゃないのか?
それにいくら俺たちが魂が強いとは言え俺たちが住んでいた世界には無かった魔法があるんだろ?ある程度は対処できたとしても想定外の事が起きたらすぐに死んでしまうぞ?」
「勇者召喚をして、転移させられたもの達には強力な固有スキルが付与されます。
そのためゼネイラにいる者達には手をつけられないほどに強くなる可能性があるのです。
また今回勇者召喚される方たちは零さん達と同じ世界のため、話がしやすいと思ったのでそうさせていただきました。
零さん達には私達神の加護を授けたいと思います。勇者召喚が行われるまでまだ時間があるので、ある程度ここの神界で鍛えてもらいたいと思います。魔法や常識などもここで教えるので覚えておいてください」
「なんで俺達じゃなきゃ駄目なのか分かった。よろしく頼む」
「それでは三人に加護を授けますね」
そうゼネイラがいうと、三人を神の力で包みこんだ。