メタルスワット 第二章
エイリアンとの戦闘を終えたタツミ達は本部へ帰還していた。
「三人共、ご苦労だった。
タツミ、どうだ上手くやれそうか?」
「はい。
一人厄介なのがいますけど問題ありません!」
と、アリサの方を一瞬見る。
「誰が厄介なのよ!?」
「そうか、まあいい。
エイリアンについてはいずれも本拠地を調査中だ。
何か分かり次第、連絡する。」
「了解。」
司令室を出る三人。
「はあ〜疲れた......。
甘い物食べたーい!」
「そんなんだから太るんだろ?」
「あんたねえ、さっきから何なのよ!」
「太るから忠告してやってるんだろ?」
「むかーーー!!」
「まあまあ二人共、もっと仲良く.....」
「シグは黙ってて!」
やれやれと首をかしげるシグ。
「もういいわ!
あんたと話しても時間の無駄!」
ふん!とアリサは食堂へと向かっていった。
「あんなに怒ると美容に良くないぞ〜?」
「タツミ......あなたって人は......。」
「ま、すぐにムキになるところも可愛いかな?」
と、タツミはシグの方を向き
「それにシグ。
お前の冷静沈着な性格は頼りになりそうだぜ。
これからも頼むな?」
「ええ。
それが私の長所ですから。
任せてください。」
と、微笑んだ。
「全く!
何なのよ、タツミったら!」
食堂にてアリサはまたもやスイーツを味わっていた。
「ん〜!でも美味しい〜!」
顔をとろけさせるアリサだった。
「所でさ、シグ」
とタツミは気になる事を尋ねた。
「何でしょうか?」
「お前とアリサっていつからチームになったんだ?」
「そうですね......アリサとチームを組んでからまだ1年くらいでしょうか?
それぐらいです。」
「へえ〜.....。」
「たまにツンツンとしている所もありますがそれはそれでアリサの個性だと思いますし、それに私は頼りにしています。
だから、タツミもあんまりからかわないでくださいね?」
「分かった分かった。」
「アリサもあんな態度を取っていますが本当は新しい仲間が増えて喜んでいると思いますよ?
アリサは中々素直じゃないですからね。」
「なるほど、ツンデレってやつか。」
「とにかくせっかくチームになれたんですから絆を深めていきましょう。」
「そうだな。」
シグからその話を聞いたタツミはからかい過ぎたかなと自分の言動を少し後悔した。
アリサはトレーニングルームは向かう所だった。
その途中、タツミと通路で遭遇した。
「よ。
どこに行くんだ?」
「別に.....。
トレーニングしに行くだけよ。」
「よし、だったら俺も付き合うぜ!」
「はあ!?
なんでよ?」
「さっきシグに言われたんだ。
もっとチームの絆を深めましょうって。
そう言う事だから。」
「誰があんたなんかと!」
と、足早にその場から去るアリサ。
その後をタツミは付いてくる。
「このストーカー!
付いてくるな!」
「誰がストーカーだよ?」
「あんたよ!!」
と、また口論になりながら二人はトレーニングルームへ到着した。
「大体ね!
私達のチームに新しい仲間なんて要らないわよ!
私とシグで充分なの!!」
「そんな事言って、本当は嬉しいんだろう?
と、タツミは何とアリサの頬っぺたを両手で摘みながら
「少しは素直になれよ?」
と頬っぺたをいじった。
「嬉しくとも何ともない!!」
しかし何故かアリサの顔は赤面していた。
その頃、シグは部屋で装備のメンテナンスをしていた。
「あの二人、仲良くやっているでしょうか......?」
と、少し心配になっていた。
「全くもう!
何なのよ!!」
ランニングマシーンで走りながらアリサは不機嫌になっていた。
「俺はシグやお前と絆を深めたいだけなんだよ。
チームなんだしな。」
同じくランニングマシーンで走るタツミ。
「私はあんたをチームとは認めてない!!」
「またそうやってツンツンする〜。」
「あんたね、いい加減に......!!」
と、そこまで言おうとした瞬間、緊急事態を告げる警報が鳴り響いた。
「もー!!
とにかく話は後!!
行くわよ!!」
「はいよ。」
司令室に入るとすでにシグが待機していた。
「どうやらまたエイリアンが出現したようです。」
「至急、エリアへ向かってくれ!」
「了解!!」
三人は至急、エリアへ向かった。
向かったエリアではまたもやエイリアン達が暴れていた。
「そこまでだ!!」
専用武器、ガーディアンをホルスターから抜き、構える。
タツミ達を発見したエイリアンはすぐさま襲い掛かってきた。
ガーディアンで一体ずつ狙い撃つ。
すると残ったエイリアンが合体し、強力なエイリアンとなった。
「またこのパターンか、シグ、アリサ!
行くぞ!!」
「了解!」
スワットコマンダーを取り出し、チェンジカードを差し込む。
「スワット オン!!」
瞬時にテクターギアが装着される。
ブラスター銃、パワードブラスターで迎え撃つ。
「一気にケリを付けてやるぜ!!」
パワードブラスターのパワーをチャージし、エイリアンに向けて放つ。
強力なエネルギー弾を喰らったエイリアンは瞬時に消滅した。
「任務完了だな!」
「にしても奴ら、一体何が目的だったのでしょうか?」
「何だかスッキリしないわね.....」
その時だった。
「中々やるではないか。
メタルスワットよ。」
不気味な声が響いた。
「誰だ!?」
その時、空から宇宙船が現れ、何かを放射した。
そして遂に姿を現した。
とてつもない強力なオーラを三人は感じた。
「我はキング。
この星を支配する者だ。」
「キング.....!?」
「今までよくも我らの邪魔をしてくれたな。
その屈辱、今こそ返してやろう!!」
そう言うとキングは突如、襲いかかってきた。
目にも留まらぬ速さで圧倒されていく三人。
「はあ!!」
巨大なビームを喰らい、三人は吹き飛ばされた。
「何なんだ......!
この強さは!?」
「手強いですね......!!」
「くっ!
このままじゃ.....!!」
「ふん......。
所詮はこの程度か、つまらん。」
するとキングは腕を巨大な剣に変形させた。
「まずはお前からだ。
女。」
瀕死状態のアリサ目掛けて剣が振り下ろされる......!
アリサは目を瞑る。
「がはっ......!!」
しかし、アリサにその剣は振り下ろされなかった。
恐る恐る目を開けるアリサ。
目の前には......
「タツミ!?」
何とタツミがアリサを庇い、攻撃を喰らっていた。
口から大量の血を吐くタツミ。
そのままタツミはその場に倒れた。
「タツミ!!!」
「ほう!
女を庇うとは......!
気が変わった。
お前達を抹殺するのは次会った時にしよう。
その時はこの星丸ごと支配してやる!!」
そう言うとキングは去って行った。
「タツミ!!
目を開けてください!!
タツミ!!」
シグがタツミに必死に呼び掛けるが返事はなかった。
アリサはただ、目の前の現実が受け入れられなかった。