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極道生徒は友達が欲しい  作者: はやぶさ
2/11

入学式 2

まずはヒロイン1人目です。

遅刻をかましてしまった入学式を終えて、猛はクラスメイトについて行って自身の教室に向かっている。


教室に着くまでの間、猛は周囲のクラスメイト全員にチラチラと目を向けられてしまっている。普通ならここで猛が、「式の開始時間と集合時間間違えたんだよね~」などと視線を向けてくる生徒に苦笑いでも浮かべて喋りかければ、「そんなこともあるよね」「どんまいどんまい」などの慰めの言葉が返ってきて会話へと発展していくのだろう。


しかし猛は人見知りなのだ。まだ名前も知らないクラスメイト全員に視線を向けられては、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうで、緊張して顔が引きつり、何も話し出すことができないようだ。


(どうしよう、めちゃくちゃ見られてる!そんなに俺を見ないでくれええええ!)


穴があったら入りたい。そんな心境で悶えている猛はクラスメイトの視線に怯えの色が浮かんでいるのに気づいていないようだ。


猛がクラスメイトからの視線に悶えている間にどうやら教室に着いたようで、猛はこれから1年2組で学校生活を過ごすみたいだ。


集合時間に遅れてまだ自分の席がどこか知らない猛以外はそれぞれ席に着きだしている。クラスメイトがそれぞれ隣近所の席の者同士でなにやらお喋りしだしているのも猛は確認した。もうグループ的なものができ始めてるのか?やばい、出遅れちゃってるじゃん、と思いながら猛は座席表を確認しに行く。


(俺の席はどこだ?あの男子が固まってる辺りだといいな~~おっ、新城発見。隣の席は男子かな?)


猛の席は6列×6席ある席の2列目最後方のようだ。ついでに隣の席の人物を猛は確認する。


香川瑛実かがわえいみ、女の子じゃん!どうしよう、話しかけれるかな...)


隣の席が女の子とはついてない、恥ずかしくって声かけれないよと思いながら猛は自身の席にむかった。そこでチラリと隣の席の瑛実を見る。


(うわ...めちゃめちゃ可愛いじゃんか...困ったな、平常心で話しかけれる気がしない)


瑛実の容姿は美少女と言ってもいいだろう。少し茶色っぽい髪は肩くらいまでで長めのボブカットで整えられている。小柄な体にマッチした小さめの顔にクリクリの大きな目が特徴だ。すこし化粧もしているのだろう。薄ピンクのリップがひいてあって、プルプルしてる唇が猛の目には眩しすぎる。さらに特徴をあげるならば、小柄な割に立派に成長しているお胸様だろう。猛が瑛実の可愛い顔立ちに気がとられてそれに気づかなかったのは幸いだろう。もし気づいていたら思春期真っただ中の猛は、より一層恥ずかしくなって瑛実とは全く会話できなくなっただろう。もっとも現時点ですら会話することはできないだろうが。


猛は人見知りをこじらせ過ぎたからこそ今の今まで友達ができなかったのだ。そんなやつが女子生徒、ましてや美少女と会話を弾ませて友達になれるだろうか。いや、できない。15年生きてきてできなかったことが今日突然できるようになるわけがない。だからこそ猛としては、隣の席が男子生徒でそいつと少しずつコミュニケーションをとり、1学期が終わる頃には友達になれればバッチグーだと考えていたのだ。普通の人が聞けば低すぎる志だと思うだろう。しかし猛はいたって大真面目にこの目標を打ち立てた。筋金入りのボッチである。


猛は席に着いてからチラリと瑛実のほうを窺う。どうやら瑛実は前の座席の女子生徒ら2人とお喋りをしている。当然既に会話が出来上がっているところに自然に参加するスキルもなければ度胸も猛は持ち合わせていないので、瑛実の方に話しかけるのはこの時点で断念。それならばともう一方の隣の席の方を窺い見てみるが、すでにそこに座っている男子生徒は近所の生徒とお喋りしている。


(...)


新生活1日目、今日はもう誰とも話せないかもしれないと、あきらめてしまった猛であった。


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