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行き続けるかも→生き続けるかも
ーーーside ギルガメシューーー
一年だ。
私とエンキドゥが湖の畔で目覚めてから一年がたった。
ん?何故目覚めてからの一年間を書いていないかだと。
理由を簡単に答えると、特に何も無いからだ。決して作者が作品を書くのを面倒くさがったからではない。
本当に何もなかった。
強いて言えば、ここは『イージス』という異世界で、魔術や魔法、剣があり科学技術が無い世界ということだ。
ここは異世界だから当然私達の事を知るものは居ない。
だから私とエンキドゥは一番最初に見つけた街、ガルディア王国のルルエという街に住み着き商売でもしながら暮らそうとした。
異世界物のラノベでは街に入る時、身分証が必要とよくあるが、この世界では必要ないらしい。
この国の住人は自由に街を出入りでき、国外からの移住者や商人等は安い入門税を払う程度だそうだ。
私達はこの街に住み着くので移住者という形になる。私が持っている金が使えるかどうか聞いたら、両替所で換金してくれるというので有り金全て換金した。
だが私が持っている金は国家予算を少し超える金額だから何度かに分けて換金してくれと言われた。
その後私とエンキドゥは街の役所に行き、住民登録の準備と、店を開くことの出来る物件を紹介してもらった。
この世界には冒険者と呼ばれるものが存在し、冒険者ギルドと呼ばれる建物がある。
そこから少し離れた所に住みかを買い、店を開いた。
その後は冒険者ギルドで店の宣伝がてら見に行くと、変な輩に絡まれ私のエンキドゥを下品な目で見たので、文句を言うと突っかかってきた。
それだけなら良い。それだけならな。
その後その輩供は私とエンキドゥに夜の相手をしてやると抜かしてきおった。
その後私はキレてしまい、その輩供の四肢を潰して、引きちぎった。
そしてここの街の冒険者ギルドのギルドマスターが来て、現状を確認した。
その後が最悪だ。
ギルドマスターは戦闘狂で私と力比べという名目の決闘を仕掛けてきた。
面倒で早く購入した家に帰りエンキドゥとイチャつきたかった私は、死なない程度にギルドマスターをボコボコにした。
決闘の後観戦者は皆、唖然としていた。
理由を聞いてみると、ギルドマスターは現役時代に大陸の中で五本の指に入るほどの実力者で、力は全然衰えていないという。
つまり私は大陸五本の指の人物に圧勝したということになる。
その後エンキドゥが私と同じ位強いと自分で言い周りを驚かせた。
決闘場から出ると、冒険者になってくれと勧誘を受けたが全て拒否した。
その後はきちんとうちの店『道具屋ウルク』の宣伝をして帰った。
ちなみに店の名前の由来は、ギルガメシュ叙事詩でギルガメシュが治めていた都市の名前からとった。
店は繁盛し、私の《特殊スキル》生産神と技術神の力で品質の良い家具や雑貨に、冒険者には必須の治療薬と武器を低価格で売り、街の住民や旅の商人、冒険者からも需要があり儲かっている。
そんな事をしながら一年があっという間に過ぎていった。
あ、ちなみに私が四肢を潰した事については、冒険者自身の自己責任という事で、私自身には何もない。
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「お店も一年前に比べたらだいぶ落ち着いてきましたね」
「ああ、そうだな。この状態が続けばゆっくりとお前とイチャつくことが出来る」
「もうっ///昼間から何言っているんですか//」
ふふ、何時見てもエンキドゥは可愛いな。
まぁ、夜になればもっと可愛くなるがな。以前昼間にしたら四日は口を聞いてくれなくて、泣いて謝ったら今後は夜にしかやらないという条件で許してもらった。
夜に何故可愛くなるのかとか、昼間に何したかとか、何を夜だけにするのかはご想像にお任せしよう。
私達は女同士だが夫婦だからな。
私はこの世界に来て本当に良かった。
エンキドゥと愛し合ったり、エンキドゥを可愛がったり、エンキドゥと商売をしたり、エンキドゥと買い物をしたり、エンキドゥと外で魔物を狩ったりした。
ん?基本的にエンキドゥと行動しているな。まぁ良いか、これからもきっと何年も何十年も、もしかしたら何千年も二人で生き続けるかもしれないからな。
「エンキドゥよ」
「何ですか、ギルガメシュ」
「愛してるぞ」
「っ///!本当に昼間からな、何言っているんですか///!?」
「嫌なのか?嫌なら止めるが……」
「‥‥して‥す…」
「何だ?よく聞こえないが?」
本当はよく聞こえているがな。
「あ、愛してます!!てっ言ってるんです///!もうっ、ギルガメシュなんか知りません///!」
「ま、待ってくれエンキドゥ!悪かった!!お前が可愛くてつい!」
「知りません!!」
二日は口を聞いてくれなかった。
ーーーside outーーー