5.我が家が燃えてるぜ!
「ん……」
「ご主人!」
「あっ!起きたみたいだね」
「ここは?」
「一応家の中だけど…なんであんな所で
倒れてたの?」
「えっと……私は逃げて……」
「何から逃げてたの?」
「飼い主様です」
「飼い主?何それ」
「私…奴隷なんです」
まじかよ…この世界奴隷とかいるのかよ…
絶対この子の事探しにくるよな…
「助けていただきありがとうございます私もう行きますね」
「え?なんで?ゆっくりしていきなよ」
「飼い主様に見つかればあなたも罰を受けますから」
「少しくらい食べていきなよせっかくナビが3人分の料理作ってくれるんだし!」
「ですです!」
「でも……」
「いいからいいから!」
お腹は空いているようだし…靴も無い
服はボロボロで顔に泥とかついてるから
まずお風呂からだな…
「よし!そうと決まればまずお風呂だな!」
「お風呂はこっちですよ!」
「いえ……私は…」
「ほら!はやくはやく!」
「で でも…お風呂なんて入らせていただくわけには…私汚れてますし…」
「お風呂くらいで何言ってるの?汚れを落とすためのお風呂じゃん!」
俺はナビにお願いして半ば強引に
お風呂に入らせた。
ちなみに替えの服は、家を探しまくったところ少し大きめの服があったのでそれを着てもらいました。
「ありがとうございました」
「うんうん!女の子はキレイが一番だね!」
「昼食の準備ができました!」
隣の部屋から元気のいいナビの声が聞こえてくる。
「出来たみたいだよ!」
「でも…やっぱり…」
「いいからいいから」
女の子の手を引いて、ナビのいる隣の部屋へ
連れて行く。
「もぐもぐ…もぐもぐ…」
「やっぱりナビの料理はおいしいな!」
「褒めても何も出ませんよ!」
「おいしい…」
「だろ?ナビの料理だからな!」
女の子皿を見るとすでにたいらげられていた。
「おかわりありますよ?」
「……おねがいします」
「はい!」
やっぱりお腹空いてたんだな…すごい勢いでおかわりしてるよ…我慢はよく無いよね!
「ごちそうさまでした…」
「うまかった〜」
「では片付けますね!」
ナビは皿を持ってとてとてと歩いていった。
「本当にありがとうございます」
「気にしないでいいよ?俺が好きでやった事だから」
「それでもありがとうございました」
「うん!で?これからどうするの?」
「これ以上お世話になるわけにはいきませんので私はこれで…」
「ドゴォォォォン!!!」
突如家の近くで爆発音がする。
「なんだ今の⁉︎」
「すいません!恐らく私の飼い主様だと思います…」
「え?まじ?」
今の爆発音って魔法だよね…
あんな音がする魔法使いに追いかけられて…
なんというか御愁傷様です。
「ご主人!なんですか今の音!」
「とりあえず外に様子を見に行こう」
「ええと…私も!」
「君は家の中に隠れてて!見つかったら
嫌なんでしょ!」
「でも……」
「ナビ!行くぞ!」
「もちろんです!」
「君はここにいて!」
俺とナビは慌てて家を出て、音の方へ向かう。
「ここら辺のはずだ!いけ!傷つけても
かまわん!」
「ひぃ!わ 分かりました!」
「ったく使えない」
「あの…すいません、さっきここら辺で
爆発音がしたんですが何か知りませんか?」
「なんだ貴様…まぁいい貴様には関係ない」
「そういうわけにもいかないんですよ…実は近くに俺の家があってここで暴れられると面倒なんですよ…」
ちょっと挑発っぽかったけど…
迷惑なのは本当だしいいか
「そうだな…貴様ここらで女を見なかったか?
髪の長い女でな俺様の奴隷が逃げ出したんだ」
「すみませんが力になれないと思います」
「そうか…だが逃げ出した罪を償わせるまで終わるわけにはいかないんだよ」
「そうですか…ちなみにその罪ってどのくらいの罪なんですか?」
「死なない程度に痛めつけるくらいの罰だ奴隷にはそれくらいがちょうどいい」
はぁ…これは本格的に隠さなきゃな…
さすがにかわいそすぎる…
「ご主人…これは流石に…」
「だよね…」
「ところでその女は貴様の妹かなにかか?」
「まぁそんなところですかね…」
「まぁいい…だがもう邪魔だ帰れ」
「お邪魔しました…帰るぞナビ」
「はい!」
「ドゴォォォォン!!!」
え?家の方から爆発音が…
女の子が!
「ナビ!急ぐぞ!」
「はい!」
「嘘だろ……」
目の前では、我が家が真っ赤な炎に包まれて
全壊していた。
「ナビ!あの子を探すぞ!」
「でも家が…」
「それより命が優先だ!家なんて後でいい!」
「了解しました!」
どこだ…無事でいてくれ…
「ガラッ」
「ご主人いました!」
「はぁ〜よかった…無事だったのか…」
「すいません…いきなり家が爆発して…」
「気にすんなって!無事ならそれでいいさ!」
とりあえず無事だったからいいか…
でも家を爆発させたやつ誰なんだ…
そういえばあの偉そうな…
「おい…これはどういうことだ?」
うわちゃー…まぁばれるよね…
知ってたうん…ほんとだよ?
「一言いいですか?」
「なんだ?言ってみろ」
「俺の家爆破しやがってこのボケナスが!
ふざけんじゃねぇよ!あぁん!お前らのせいで俺明日から家ないんですけど!どうしてくれんだ!おぉん!
とりあえずぶっとばーす!」
「貴様…楽に死ねると思うなよ…」
こうして俺と爆発野郎の聖戦が
幕を開けた。