4.初めての魔物
「うーん……」
「お目覚めですか?」
「おはようナビ」
「はい!おはようございます!」
ナビは今日も元気だなぁ〜
昨日は魔法を試したし今日は何をしようかな…
「ではご飯にしましょうご主人!」
「うん!」
「おいしいね!あんまりお腹空いてなかったからちょうど良かったよ!」
「ご主人は小食の様でしたので朝は少なめにお作りしました!」
「ナビは本当に気が効くね」
「えへへ〜」
よし…腹も膨れたし何をしようかな…
外は森だから魔物いそうだし戦ってみるのも
アリかな…
「今日は魔物と戦ってみたいと思う!」
「では準備してきますね!」
そう言ってナビは服を着替えるために隣の部屋へと入っていく。
あっ…俺も着替えなきゃ…
でも今入ったら怒られそうだな…
ナビが着替え終わってからにしよ。
▼▼
「外はこんな感じになってたのか」
外に出ると見渡す限り鮮やかな緑で彩られていた。
「昨日は夜でしたし視界があまりよくありませんでしたからね!」
「ねぇナビ?魔物ってどんなのか分かる?」
「分かりません…でもご主人なら大丈夫だと思いますよ?」
「強かったら逃げればいいか…」
「そうですね!」
道無き道を進んでいく。
魔物…魔物っていってもスライムとかゴブリンとかだったら分かりやすいのになぁ。
「ご主人!あれはなんでしょう!」
「ん?あっ!あれじゃないかな?」
ナビの指差す方向には、水色でなんかヌルヌルしてそうな小型のスライムがピョコピョコ跳ねていた。
「早速倒しますか?」
「ちょっとまって…試したい事がある」
試したい事とは、魔物でもステータスが…
「シュ!」
ただいま解決されました。
———
名称 スライム
LV 1
HP 3/3
MP 0/0
攻撃力 2
防御力 1
俊敏性 2
運 2
称号
無し
スキル
[滑らかボディLv1]
固有スキル
無し
エクストラスキル
無し
———
まぁスライムだしこれくらいでしょうね
[滑らかボディLv1]ってなんだろ…
[滑らかボディLv1]
・物理攻撃に僅かな耐性が出来る。
気にする位のスキルではないようだLvも1だしね…
「試したい事ってなんですか?」
「ステータス見たかったんだよ」
「見られましたか?」
「うん!見れたよ!」
「どんな感じでしたか?」
「初めての魔物だからこれぐらい弱くていいんじゃない?って感じかな?」
「じゃあどうしますか?ご主人が倒されます?」
「そうしようと思う」
魔物に対して魔法がどれくらい効くのかを試してみたいしね…
「よし…ファイヤーボ…」
「キュウ?」
魔法を放とうとした瞬間にスライムがかわいい声で鳴いた。
「キュウキュウ!」
そう言って俺の足にすりすりしてきた…ヌルヌルした見た目だが別にヌルヌルして無かった。
「懐かれたのでしょうか?」
「分かんないけど敵意はなさそうだぞ?」
「どうします?意外とかわいいですよ?」
あれっ?もしかしてスライム気に入ってる?
確かにかわいいけど魔物だよ?かわいいけど!
「キュウ?」
「どうしようか…」
「困りましたね…どうしますか?」
「かわいそうだから今日は魔法の練習に
切り替えよう」
「分かりました!」
スライムにバイバイし、俺とナビは家の近くまで移動する。
「おっ…この岩いいんじゃないかな」
目の前には2m弱位の岩がある。
「そうですね!」
「じゃあ使ってみるか…ファイヤーボール!」
放たれた火の玉はやはり大きかった…だが大きさだけでは無かった。
ファイヤーボールは岩に当たったが、そこで消えることなく岩を突き破り後ろの木を何本か貫いた後に消えたのだ。
あれぇ?なんか威力高くない?
おかしいよね?あっ…また[怠惰]か!ステータス!
「シュ!」
———
名前 木月 涙
性別 男
LV 3
HP 86/86
MP 79/99
攻撃力 56
防御力 63
俊敏性 72
運 51
称号
[転生者]
スキル
[初級火魔法Lv3]
固有スキル
[ナビゲート]
エクストラスキル
無し
???スキル
[怠惰]
———
なるほど…[初級火魔法Lv3]になったからか…
Lv3でこの威力とかやばくないか?
スキルのLvまで上がるとか聞いてないし…
「ご主人?どうしたんですか?」
「いや…ちょっとステータスを見てた」
「何かあったんですか?」
「なんか火魔法のレベルが上がってた」
「すごいですね!普通レベルが上がるのに
何回も同じ系統の魔法を使用しないと
レベルは上がりませんよ?」
俺からすればスキルレベルが上がるよりも新しいスキルの方が嬉しいんだけどね…
まぁ練習してたら出来るでしょ!火魔法も使えたし!
「もうそろそろお昼ですね!」
「えっ?もう?はやくない?」
「結構練習しましたよ?
「じゃあ腹ごしらえしてお風呂でも入るか!」
「はい!」
俺とナビは家に向かう。
「ドサッ!」
「なんだ?今の音」
「何か倒れたんじゃないですか?」
音の方を見てみると…
そこには髪の長い女の子が地面に倒れていた。
「大丈夫か!」
声をかけ、体を揺さぶるが反応が無い。
ただの屍…ちょっとまて勝手に殺してはまずい。
「とりあえず家まで運ぶぞ!」
「分かりました!」
俺が女の子を担いで女の子を家まで運んだ。