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12.昇格試験

「ふぁぁ……んっんーー」


眠いな……もっかい寝よ。


「スースー」

「んっよく寝た……着替えてご主人起こさなきゃ」


ナビが起きるが隣で気持ちよさそうに寝ているルナ、そして隣のベッドで静かに寝息を立てるご主人である涙。

いつも気持ち良さそうに寝てますねご主人は。


ナビは少しだけ温かい気持ちになったのだった。



「ごしゅ……ご主人……ご主人!」

「あと5分だけ……」

「ほら起きますよ」

「バッ!」


ナビに布団を外される。

寒いよぉ……もうちょっと寝たかったのに。


「おはようございますご主人」

「ルイおはよう」

「ん……2人共おはよう」


もうちょっと寝ていたかったが、朝ごはんを早々に食べ終え昇格試験を受けるためにギルドへと向かった。


▼▼


「昇格試験を受けたいんですけど」

「昇格試験ですね。ではこちらへ」


職員の人に案内されギルドの奥へ向かっていく。


「昇格試験は10分後に行いますので説明は後ほど」

「分かりました」

「では失礼します」


んー……昇格試験って何すんだろ……俺が知ってる通りなら……


「あのさ?昇格試験って何すんの?」

「確か……試験を受ける人よりもランクが上の人と戦ってどれだけやれるか……だったと思うよ?」

「ありがとルナ」

「最近ご主人が私を頼ってくれません……」

「俺は2人共頼りにしてるよ」


そんなこんなでグダグダ話しながら待っていると冒険者らしき人とギルドの職員らしき人が2人現れた。


「では説明しますね。この方と戦っていただきどれだけやれるかを我々職員が判断して、こちらでランクを決めさせていただきます。魔法は使用されても構いません。場合によればランクが飛級する事もあります」

「ご紹介に預かったセルロスだ。俺はランクAだし、木刀を使うから気にせず全力できてほしい」

「分かりました」

「はーい」

「はい」


大方予想通りだな……


「では、ルナ=アーデリックさんどうぞ」

「は、はい」

「アーデリックさんは近接スタイルという事なのでこちらの剣をお使いください」

「分かりました」


そう言ってルナは少し長めの剣を受け取る。

えぇぇぇ……ランクAなのかよ……むっちゃ強いじゃんか……ちょっと忍びないけどステータス覗いてみるか。


———


名前 セルロス

性別 男

LV 59

HP 251/251

MP 105/105

攻撃力 205

防御力 219

俊敏性 157

運 29


称号

[モンスターキラー] [上級冒険者]


スキル

[中級雷魔法Lv3] [剣技] [加速] [防御力up]

[攻撃力up] [防御の構え]


固有スキル

無し


エクストラスキル

無し


———


流石Aランクってとこかな?そういえば最近自分のステータス覗いてなかったな……


———


名前 木月 涙

性別 男

LV 6

HP 186/186

MP 249/249

攻撃力 141

防御力 164

俊敏性 197

運 110


称号

[転生者]


スキル

[感知魔法Lv3]


固有スキル

[ナビゲート]


エクストラスキル

[蒼焔][無詠唱]


???スキル

[怠惰][イメージ]


———


MPと俊敏性と運勝ってる……そうだ!蒼焔使ってみよう!魔法ってかスキルだけどね!


「では、始め!」


職員さんの合図で、ルナが勢いよく前に飛び出し剣を振りかざす。だが、剣は虚しくも空を切る。ルナは咄嗟に後ろへと飛び出した。

その一瞬後、さっきまでルナがいた場所に木刀が振り下ろされる。


「おぉ……君やるね」

「いえ……精いっぱいですよ」


んーー……なんでだろう……天下一武道会で、孫○空とかが戦ってるみたいなのに目で追える。もしかして俺にもサ○ヤ人の血が⁉︎


「まぁまだまだだけど……成長が楽しみだよ」

「シュ!」

「なっ⁉︎」


刹那。ルナの首元には木刀が突きつけられていた。

ルナは動く事が出来なかったのだ。


「そこまで!」


まぁ負けるでしょ……逆に勝ってたらルナ強すぎってなるもんね。


「では、ルナ=アーデリックさんありがとうございました」

「ありがとうございます」


ルナは職員さんに一礼してこっちに歩いてきた

凄く笑顔で。


「ルイ!ナビちゃん!終わったよ!」

「すげぇな!さっきのどうやって避けたか分かんなかったよ」

「流石ですルナさん!」

「では、ナビさんどうぞ」

「はい!行ってきますね」

「おう!頑張れよ!」

「頑張ってね!」


次はナビか……ナビは魔法が得意だからな……

魔法が当たればいい感じに持っていけると思うんだけどね。


「では、始め!」

「ファイヤーボール!」


開始と同時にナビはファイヤーボールを展開、

だがただのファイヤーボールでは無かった。

明らかに数が多いのだ少なくとも10個はあるだろう。


「いけっ!」


ナビの周りにあった大量のファイヤーボールがそれぞれ違う方向へと勢いよく飛んでいく。


「そこっ!」


途中まで真っ直ぐ飛んでいたファイヤーボールが方向転換してある一点目掛けて飛んでいく。

だが、


「シャキン!」


木刀とは思えない音で全てのファイヤーボールを無力化したのだった。


「君もなかなかやるね」

「トンッ」

「なっ」


ナビの背中には木刀が突きつけられていた。


「そこまで!」


ナビも頑張ったんじゃないか?Aランク相手に魔法当てただけでも凄くね?


「では、ナビさんありがとうございました」

「はい」


ナビも一礼してこちらに歩いてきた。


「どうでしたか?」

「凄いと思うぞ?これから練習しような!」

「うん!凄かったよ!」

「えへへ〜照れちゃいますね」

「では、キズキ=ルイさんどうぞ」

「じゃいってくるー」

「「頑張ってくださいね」」


緊張するな。蒼焔使ってみよ。


「キズキさんは剣をお使いになりますか?」

「はい」

「では、これを」


ん?なんかしっくりこないな……


「すいません他のってありますか?」

「では、こちらから選んでください」

「すいません待ってもらっちゃって」

「いやいや気にしないでいいよ、ゆっくり選びな」

「すいませんね」


職員さんは剣やら木刀やらハンマーやらいろいろ出してくれた。


んーこれじゃないし……これでもない……あーハンマーなんて論外だし……おっ!


手に取ったのは木刀だった。


おぉ!しっくりくる!なんかこれがいい!


「すいませんこれにします」

「では、始め!」


よし……感知魔法を使ってっと。


「うわぁぁ!」


感知魔法を使った瞬間後ろから木刀が凄い勢いで迫り来るのが分かり、咄嗟に前に転がった。


「君もなかなかやるね」

「まだまだこれからですよ……蒼焔」


そう呟くと手に握っていた木刀から蒼い焔が立ち上がる。あちっあちちちち!……?熱くないな。


「ん?なんだいその珍しい色の炎は」

「そっそれは!まさか!そんな!」

「まぁ簡単にゆうと切れ味upってかんじですかね?」

「どうしたんですか職員さん何驚いてるんですか?」

「あの……その色は……だって」

「とりあえず続けようか」

「そうですね」


涙は勢いよく踏み込むと昔の感覚を思い出しながら木刀を縦に横に繰り出していく。

だが、ひらりひらりとかわされてしまう。


「くそっ当たんないな」

「見たことない剣術だね、おもしろい」


涙はその言葉の後に後ろから迫り来る敵意を感知し、すぐさま木刀で受け止める。


「サクッ」


セルロスの木刀が真っ二つに切れてしまった。

予想外の事態に思わず体制を崩してしまう。


「ここっ!」


涙の木刀はセルロスの木刀を切り抜けそのまま後ろへと回りこみ首元に青々と燃える木刀を突き付けた。


「参ったよ。強いな君」

「サッ」

「いえいえ!お手合わせありがとうございました」


涙は木刀を引っ込め感知魔法と蒼焔を消した。

勝っちゃったよ……切れ味良すぎ……ここまで切れるなんで聞いてない。


「あのー大丈夫ですか?終わりましたよ?」

「で、では、そこっそこまで」

「ありがとうございました」

「こちらもいい経験になったよ」


ふぅ……なんとかスキルのお陰でってかんじかな?ランクどこまでいくんだろ。


「ご主人!凄いです!」

「まさか勝っちゃうなんて」

「たまたまだよ……あの人が魔法使ってたら負けてたのは俺の方だよ」

「それでも凄いです!」


照れるぁ……嬉しいね褒められるのは気持ちがいい。


「すいませんが……ギルドマスターがお呼びです」


あっ……お約束。

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