2.
ねぇ、うさぎ。
一体どこまで行くの?
どこまで行っても砂だらけ。
わたしたち、砂漠にでも来てしまったのかしら?
わたし疲れたわ。もう歩けない。
もうすぐだよ。
もうすぐ。
さっきからもう10回も同じことを言っているわ。
わたしはもう歩きたくないの。
うさぎはアイスを背中におぶった。
なんか変な格好ね。
きっとうさぎが太っているせいだわ。
こんなに足を広げなくてはいけないんだもの。
僕は太ってなんかいないよ。
失礼だな。
うさぎはアイスを肩に乗せた。
うさぎ、背が高いのね。
うさぎ、わたし、高くて怖いわ。
下して早く。
わたし、下に降りたいの。
アイス、
おりこうにしていないと、
君をお空に放り投げるよ。
いいかい?
本当にお空に放り投げるから・・・。
ほうらっ。うそじゃないよ。
うさぎはアイスを前に抱えて、
お空に放り投げる真似をした。
きゃはは。
うさぎ、お空に放り投げて。
わたしをお空に放り投げて。
もっと、もっとよ。
もっと高くお空に私を放り投げて。
さっきまでは怖いと言っていたくせに。
ははは。
うさぎ、もっと。もっとよ。
うさぎは決してわたしを落としたりしないわね。
うさぎ、もっと高く私をお空に放り投げて。
アイス、君は本当にお空に飛んで行ってしまうよ。
僕をおいていかないで。
うさぎも一緒に来たらいいのよ。
さぁ一緒に手をつないで。
ほうら、せーの。
二人は一緒にお空へ放り投げられた。