変化
私は運動が嫌いで汗をかくのが嫌いで暑いのが嫌いなのだ。夏が好きなわけがない。
「暑い…」
横になりソファーを陣取る。毎年恒例と化したこのマンネリな思考回路を冷たいコーヒーミルクアイスを口に含むことで中断。美味しい。
空気の暑さもあいまってかあっというまに一日一本と決めているそれは溶けて口には木の棒しかなくなった。
足を振り上げその勢いのまま一気に起き上がり立ち上がり木の棒をボッシュートし外し、それを拾いながら窓の外をちらっと見る。日陰で愛犬のそらが過呼吸的な動きをしているのが見える。そらをクーラーのきいているリビングに招き入れ、漸く。
今から、私は、外へ行く。
…あぁ、めんどくさい。
かんかん照りとはこのことか。上を向くと目が紫外線に焼かれる音が今にも聞こえそう。私は学んだ、もう上見ない。
下を向いて歩く私の目にはひらひらと揺れる黒の花が散った白地のワンピース。
何をそんなに生き急ぐのか解りかねるが最高気温を更新し続ける中、洋服屋のウィンドウにはすでに秋物が並び店の隅にワゴンとポールハンガーで夏物が安く売られている。その中から見つけ出した今一番のお気に入り。私は今から美容院に行く。
はずだった。
私は冷房のきいた室内にいて張り付いた笑顔に応対して他人に髪を弄くり回され、あまつさえアイスコーヒーを飲んでいる、はずだった。のに、何故。
私は虎に組み敷かれてる。
もっとこいつは話すべき。暑いしか言ってなくねえか。
次の話からもっと喋らせますので。(予定)
虎は作者が(性的に)好きな動物No.1です。
聞いてませんよね、ごめんなさい。




