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私
これより唄うは、私が夢で見、この眼で見た光景である。
争いに見を窶し、緩やかに衰弱してゆく世界。夢と幻に惑わされ、御国から離れていく人々。深く濃く染められた景色に審判は下され、光輝が注ぎ込まれると、黄金の扉は開かれた。
美しくも悲しく、残酷にして幸福なる世界で忘れられた人。愚かなほど貪欲に生を享受し、安逸に身を捧げ死を忘れた人々。様々な物語で織り成される光景だ。
これを聞き、私を法螺吹きと嘲る輩、予言者と崇める人、歴史家と認める人もいるだろう。
しかし、私は法螺吹きでも、予言者でも、歴史家でもない。
私は夢に彷徨い、幻を流離うもの。
私は夢幻人、そして、光の旅人である。




