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神聖独劇  作者: さとう
第十一章――夢幻人
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天つ御空は晴れ渡り

 多くのものが眠りにつく時間を終えて、あらゆるものが芽吹く時季が訪れた。


 柔らかな陽は暖かく、希望を携えた風に花々が舞い散る季節、見渡す限り広がる景色に幾つの想いを重ねてきただろうか。初めは薄く、淡く彩られていたものは、時を重ねるごとに深く、濃く、多くの色に染められた。

 麗らかな太陽のもと、微睡みのまにま、船を漕ぎだすと懐かしの人の声が聞こえてきた。浮かび上がるその姿と涙に語り合い楽しい時が過ぎ、君はさよならを言って立ち去る。ありきたりの一言に目を覚ますと君の影はもう見えない。


 覚えているのは最後の言葉だけ、夢の後先を見たくて明日を求めた。儚い希望と知りながら明日が来るのを待ち、今日を見送り、過ぎたあの日を想い続けた。

 あれからどうしているだろう、この季節が巡り来るたびに心寂しくなる。

 たった一言、伝えそびれた言葉があるんだ。

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