存在を越えて
『時が流れ移ろい、季節は巡り、太陽と月は変わらず昇り続ける。繰り返し営まれ、少しづつ変化する永遠の中に佇む。
常しえに続く命の循環を見守り、すべては進んでゆく。ゆっくりと変わりながら、かすかに違うものへと巡り廻る。
広大無辺の大空、果てなき大地、そよふく風、太陽に微笑む花々、そこに棲む命たち。すべては自分の時間を持っている。
時間を使い、自由を育み、あらゆるものを手にする。傍観するだけでなく、自ら動き回ってすべてを手に入れるため、遍く世界を旅するのだ。
旅路の最中、目まぐるしく空の色が変化するだろう。同時に、いつも描いていた空想が現実の色を帯びてゆく。現実に染まる空想に心を奪われ、ふと気が付くと現と夢の境界線に立っている。
そこで世界を見渡すと、静と動を、闇と光を隔てる扉が見え、己を見つめると、正しき想いと邪悪な意志が相剋している。
最初は戸惑い混乱するだろうが、次第に心は整理され、外へ向かう意識と内に向かう意識が重なり、合一された認識は世界と自己の境界をあやふやにし、やがてすべてが混じり合い一つになる。
混乱は混沌へ変貌し、一と全の区別は無くなり、その中で言い知れぬ感情が押し寄せ、最後に絶望と歓喜へ達する。』




