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神聖独劇  作者: さとう
第九章――清浄なる未来
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存在を越えて

『時が流れ移ろい、季節は巡り、太陽と月は変わらず昇り続ける。繰り返し営まれ、少しづつ変化する永遠の中に佇む。

 常しえに続く命の循環を見守り、すべては進んでゆく。ゆっくりと変わりながら、かすかに違うものへと巡り廻る。

 広大無辺の大空、果てなき大地、そよふく風、太陽に微笑む花々、そこに棲む命たち。すべては自分の時間を持っている。

 時間を使い、自由を育み、あらゆるものを手にする。傍観するだけでなく、自ら動き回ってすべてを手に入れるため、遍く世界を旅するのだ。

 旅路の最中、目まぐるしく空の色が変化するだろう。同時に、いつも描いていた空想が現実の色を帯びてゆく。現実に染まる空想に心を奪われ、ふと気が付くと現と夢の境界線に立っている。

 そこで世界を見渡すと、静と動を、闇と光を隔てる扉が見え、己を見つめると、正しき想いと邪悪な意志が相剋している。

 最初は戸惑い混乱するだろうが、次第に心は整理され、外へ向かう意識と内に向かう意識が重なり、合一された認識は世界と自己の境界をあやふやにし、やがてすべてが混じり合い一つになる。

 混乱は混沌へ変貌し、一と全の区別は無くなり、その中で言い知れぬ感情が押し寄せ、最後に絶望と歓喜へ達する。』

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