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神聖独劇  作者: さとう
第七章――追憶
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虚無

 紺碧の空は晴れ渡り、見やる大海は凪の浜を洗っている。漂う潮の薫りは心地よく、それは私の記憶を震わせ、過ぎ去った時間を偲ばせる。当て所なく思い出と浜を歩きながら人生を顧みる。自分の人生は何だったのか。


 倦怠と懶惰に塗れ刻々と時は過ぎ去っていった。縹緲たる未来に光は無く、過ぎし日々は無残に形骸化するばかり。何も成すことなく、何を残すでもない、何もわからず、何も知らぬまま、時間は流れていった。

 ふとした一瞬に流れる感情に浸り生きてきた。喜怒哀楽、感じるままに流離い、次の瞬間には寂寞の風に吹かれ、空っぽの私はもうそこに居ない。


 静かな海から吹き付ける風が冷たくなってきた。これまでの人生を虚しいものだと笑うように、心を吹き抜けてゆく。未来も過去も空白に染まる人生。記憶を想い、沸き立つ感情など一切無い。

 潮を孕む風が強く出てきた。私は潮風に吹かれ、記憶とともに砂に還った。もうそこに私はいない。

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