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神聖独劇  作者: さとう
第五章――新生
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黙示

 それは私たち貧民が、いつものように冷たいねぐらで眠れるときにおきました。

 西の地平から、まだ暗い時間にも関わらず、東より出でるはずの太陽に似た輝きが広がり、空を目覚めさせ、次いで私たちを起こしたのです。

 人はみな訝しげに目を光の方角へ向けました。輝きは東から太陽が昇るまで消えませんでした。

 太陽がその姿を現したとき、ほぼ同時に西に人影が見えたのです。近づく影は一人の男性でした。


 男が、怯えと好奇を持って見守る私たちのところへやってきて最初に発したのは、「あなたたちを……」の一言。言葉の最後は誰も聞き取れませんでしたが、その後の言動から続く言葉は「救いたい」か、それに準ずるものだったと思います。


 その後、光より顕れた男は活動を始めたのです。病める者を癒し、年老いた者を労り、未来ある者を導く。人にはなんでもできる力があり、自由も希望もすぐそこにある。そうして彼は私たちを鼓舞して、生きることを諦めてはいけないと教えてくれたのです。

 特に、光の人が語られる言葉は私たち滅び行くはずの者たちに光を放ち、新しい道を照らし示してくださりました。

 けれど、その言葉が仇となり、支配階級の者に異教の烙印を押され迫害を受けるようになりました。しかし、彼は何者にも縛られることなく行動を続け、最後には私たちを救うため、支配者より科せられたすべての罪と鎖をその身で背負い、異端者として蔑み罵られようと、決して折れることはなく、救済の手を差し伸べることを止めませんでした。

 虐げられてきた人々はこの姿に涙を流し、心からの敬愛と祈りを捧げるに至りました。彼の御言葉は教えとして、存在は私たちの新しい道の先鋒者として、崇め奉るようになりました。光から顕れた奇跡の人は、私たち貧しき被支配者の救世主となったのです。

 彼のすべては啓示であり、その偉業を後世に残すため、ここに彼の言葉を記したく思います。

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