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1-7:大会会場までの道のり

「あっ、ごめん。クロエの事忘れてた!」


 エリンに追いついた僕に、彼女はそう言った。


 忘れるなよ!


 いや、昨日の話からしてもエリンはずっと孤立していたみたいなんだよなあ。


 少なくとも、一緒に大会に出てくれる白魔道士が見つからないくらいには。


 だから、あの師匠と呼んでいた老戦士たち以外に理解者がいなくて、一人での行動に慣れてしまっているのかもしれない。


 今朝の朝食もそうだ。


 わざわざ森の中にある砦跡にまで足を運んでまで食事するのも一苦労なはずなのに。


「置いていくなら大会には出ませんよ」


 僕は多少イジワルっぽくそう言った。


 置いていかれた事に少しだけムカついたし、これくらいはいいだろう。


「ごめんごめん。気を取り直して会場まで行こっか」


 前向きだなあ。


「とりあえず出場者は先に集合しなきゃいけないんだけど、それは私一人でも大丈夫だから」


 戦士と魔道士のコンビの試合なのにか?


 そういえば、大会なのだから受付とかそういう手続きが必要だと思うけど、そういうのを一切やってないぞ。


 そこが引っかかったので聞いてみる事にした。


「あの? 私は手続きとかやらなくていいのですか?」


「うん。基本的に戦士の試合だから魔道士側は自由なんだって。だから試合毎に変更してもいいルールだし。でも、必ず一人の魔道士を入れなきゃいけないから困ってたんだ」


 そんなに緩いのか。


 試合のメインは戦士だから、それでもいいのか?


 でも、それだと何かズルい事をする奴も出て来そうだ。


 具体的に思い浮かばないけど。


 ついでに聞いてみるか。


「それだと、何か不正な事が起きたりしないのですか?」


「昔は戦士と魔道士のペアは固定だったみたいなんだけど、それだと相手の魔道士を闇討ちして試合に不戦勝しようとするズルい人が出て問題になったんだって」


「そ、そっちの方が問題ですね」


 確かに戦士に比べると魔道士、特に白魔道士は弱いからなあ。


 試合でも戦士より先に狙うのは定石の戦法だろうし。


 白魔道士だけが前の試合でやられてしまい、勝ち残った戦士が次の試合に出られないとかの問題もありそうだしな。


 そうか、相手に狙われるか。


 想定はしていたけれど、改めて相手の攻撃には注意しないとな。


 特にエリンには他に試合に出てくれそうな白魔道士がいない。


 となると戦法的に僕の方を優先して狙う奴も出てくる可能性がある。


 まあ、これも実戦の修行だな。


 この程度の事は黒魔法を使わずにできないと、僕の目的は達成できそうにない。


 などと考えてながら移動している内に、僕とエリンは大会会場と思われる広場に着いた。

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