表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃亡するのに女装していた男魔道士、女戦士と知り合って一緒に旅する事になる  作者: ヘラジカ
第三章:魔の厄災エクスエナ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/90

3-13:エクスエナの居城

「そろそろ、降りる準備をしてくれ」


 運転席の商人にそう言われた僕は、寝ているエリンを起こした。


「エリンさん、もうすぐ降りますよ。準備してください」


「はッ! いけない、寝ちゃってた?!」


「しーッ! あまり大きな声は出さないで!」


 寝起きで声を上げたエリンに対し、僕は小声で、しかし力強く注意した。


「これから城門を通る。城門を抜けたら広場に荷馬車を停めるから、その前に脱出してくれ」


「わかりました」


「うーん、わかった」


 僕は荷台の中から、城の城門が開いてから荷馬車が通り抜けるまでの流れをこっそりと確認した。


 そして、誰も見ていなさそうなタイミングが来たのでエリンに声をかける。


「エリンさん、今です!」


 エリンが先に降りる。


 そして、僕も荷馬車の荷台から降りた。


 とりあえず、身を隠せそうなところを探して様子を見よう。


 そう思い、物陰に隠れてはみたが、ここで大変な事に気付く。


 エリンとはぐれてしまった。


 彼女は彼女で何処か別のところに隠れたのか、姿が見えない。


 どうしよう? エリンを探すべきか?


 いや、今行うのは討伐ではなく生贄にされている人たちの救出。


 戦うわけではないので、僕とエリンの二人が揃っている必要はない。


 ならば、むしろこのまま二手に別れて生贄の居場所を探した方が効率がいい。


 とりあえず、僕は荷馬車の後を追い、荷物の受け渡しの様子を確認しつつ、城の人間が何処からやって来るかを観察する事にする。


 荷馬車は程なくして広場に停車した。


 商人たちの話によれば、ここで荷物の受け渡しが行われる筈。


 荷馬車の停車から程なくして、眼鏡をかけたキリッとした感じの女性が一人やって来た。


 初めて見る顔だが、あれが話に聞いたエクスエナの信奉者の一人、会計士トルテかもしれない。


 だとすると、あの女が来た方角を進めば、生贄にされている人たちがいる場所に行けるだろう。


 商人たちの荷渡しの様子を見ている限りだと、密航がバレている様子は微塵も無い。


 正直、この潜入の話には少なからず何かしらの裏があるのではないかと疑っていたが、そんな事は無かったようだ。


 僕は、城の人間が荷渡しに夢中になっている隙をついて、城の奥へと進む。


 途中、地下へ降りる階段があったが、多分そこにはいないと踏んだ。


 地下にある地下牢にいかにもな感じで捕らえられている可能性も頭に過ったが、生贄の人間はこの地に住む家族を護るために逃げたくても逃げられないという話だ。


 だとしたら、無理に地下牢に閉じ込める必要も無いはず。


 そう思って、階段を無視して更に建物内を進む。すると音が聞こえてきた。


 糸を紡ぐような音。


 音のする部屋まで進んで中を覗くと、複数人の女たちが糸を紡いだり、布を織ったりしていた。


 城の使用人か?


 だとしても、エクスエナが魔法力を供給できる女である事には変わりない。


 この人たちが生贄にされている人たちである確証は何処にも無いが、とにかく城から追い出さなければ。


 僕は部屋の扉を開けて、働いている女たちの前に姿を現す事にした。


「あの、あなたたちは──」


 そう、話しかけようとした、その時。


「エナ様、こちらにいらしていましたか」


 背後から、声がかかる。


 振り返ると、小太りの男がいて、彼が僕にそう話しかけたみたいであった。


よければブックマークお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ