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逃亡するのに女装していた男魔道士、女戦士と知り合って一緒に旅する事になる  作者: ヘラジカ
第三章:魔の厄災エクスエナ

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3-4:潜入の目途

 注文した料理が届き、それを食べ終えたところで先程の商人が再び声をかけてきた、


 今度はエリン一人にではなく僕たちに、だ。


「ちょっといいか? アンナから聞いた話の続きだ」


「はい」


 何だろうか?


 先程の話の後だ。


 闇雲にエクスエナを襲わない事への念押しかもしれない。


「単刀直入に聞く。生贄になった人々を救出する気になったか?」


 その事か。


「勿論、先に救出します。それでいいですよね、エリンさん」


「そだね。クロエがそう言ってくれて安心した」


 流石に生贄を見殺しにしてまでエクスエナを殺そうとは思わないぞ。


 そんな風に思われていたのか、僕?


「そうか、よかった。だったら、城への潜入は手伝ってやろう」


 話しかけてきた理由は分かった。


 だが、潜入を手伝う理由が分からない。


 見つかってしまっては商人たちも立場が悪くなるだろうに。


 だから、こちらも単刀直入に理由を聞いてみる事にした。


「何故、そこまでしてくださるのですか?」


「俺たちだって、あの土地に住んでいる連中を助けたいだけだ。今でもあそこで商売を続けているのも、あそこに住んでいる連中を思っての事だ。それに、生贄の中にはお得意さんの娘もいる。後のために売れる恩は売っておきたい」


 理由はちゃんとしたものだけど、怪しくないかと言われたら嘘になる。


 まあ、とりあえず詳細だけでも聞いておくか。


「それで、手助けというのは?」


「なあに、荷台の中に紛れ込ませてやるだけさ。ただし、見つかってもこっちは一切関与しないからそのつもりでな」


 そういう事か。


 どの道、潜入ならば商人の荷台に忍び込むのが手っ取り早い。


 勝手に変なところに忍び込まれるよりかはいいという判断でもあるのだろう。


「まあ、今度この村から向こうに行くのは10日後だ。それまでに考えておいてくれ」


 そう言って、商人は自分の席へと戻っていった。


「どうするの、クロエ?」


 エリンが不安そうに聞いてくる。


 やはりエリンもこの話は多少なりとも怪しいと思うのであろう。


「何事も無ければ10日後にお世話になればいいかと」


「大丈夫かな?」


「いざとなれば、私が魔法で」


 あの商人が僕たちを売り飛ばす様な外道ならば、黒魔法で葬り去るだけだ。


 幸か不幸か、この近辺はこういう土地。


 不本意ではあるが、罪はエクスエナが被る事になる。


 本当に善意でエクスエナが占領する領地と取引しているのだと信じよう。


「うーん、わかった。でも、10日間この村で待機する事になるけど何するの?」


「その事ですが、エリンさんには特訓をしてもらいます。商人さんの件が無くても、エクスエナの領地に行く前にやらなきゃいけないと、村の方々の話を聞いてそう思いましたので」


「え? どゆこと?」


 エリンは不思議そうにしている。


「エリンさんも魔法の力を吸収する黒魔法の話は聞きましたよね?」


「聞いたけど……って、あ! そゆこと!?」


「明日から、吸収の黒魔法を回避する特訓をします。これが成功しないと、エリンさん多分死んでしまいますので」


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